February 14, 2012
拝啓・メニープランクスターズ ’12
メニープランクスターズ、陽気な悪ふざけ屋。
頭の回転の悪さにかけては右に出るモノ皆無って類いのアバズレが律儀に声を掛けてくる、
「アンタ、名前は?はっ、それ名字?」
憎しみよ、くたばれ、
俺は顔も知らんアバズレに名前を聞かれてゴキゲン且つポップなニックネームを答える程、残念ながら愛想も気前も良くない。
「ザ・ヒッピー」と名付けられた伝記本に大枚を叩く夜、
スクランブル交差点をブギのリズムで闊歩する、眉間に皺は寄せたまま。
22、3歳の時分、あらゆるヒストリー本ばかりを読み漁っていたこちとらにチャーミングな声で誰かがセッド、
「アンタ、そんな仕事に就くべきよ」、
惹かれる事柄には容赦知らずの探究心と冒険心を熱心に持ち合わせるべきだ、
興味があるのはLSDではなく、その裏にある背景、
この粋な言い回しで綴られている伝記本を読み終える頃にはきっと次の扉が開かれているだろう。
そして先日観賞の「ふたりのヌーヴェルヴァーグ」の頗るハイカラな印象が消えない、
ゴダールとトリュフォー、アイドルは常に闘いを止めない男達。
26、7歳の時分、終始怒りに震えていたこちとらに哀愁の趣で誰かがセッド、
「アンタ、生きるの大変ね」、
全てを笑い話にする術を覚えて俺は救われてきた、
この術だけは断固捨てない、捨てるなんて単なるモグリだ。
ボーリングピンの貯金箱に折り曲げたお札を捩じ込む度に思う、
「こんなモノは所詮紙切れに過ぎない」、
目的地はシカゴ、強行トリップス。
猿小屋斜め78度にある昭和雑貨屋で埃にまみれながらレコードを漁る、
引っ張り上げた美空ひばり7インチ、
ひな祭りに唄い上げよう、「ひばりのドドンパ」。
水面下でうねり出す7、8つの事柄、
もうすぐ春が来る、生きている限りは。