March 10, 2012
How Are You? 短編 ’12
突然手足が痺れ、全身から脂汗が吹き出した。
昨今の不摂生が祟ったのだ、歩く両足は震えていた。
さて、口元は「髭を隠す為」と律儀に用意されたファッキンマスクで苦しくも塞がれていた。
「郷に入れば郷に従え」、場合によっては好きな諺。
しかし、マスクを「オカマの最高峰」と捉えて早18年強、
不摂生は俺じゃない、元凶は全てコイツだ、
そう洒落込み、俺は純白なマスクを伝統のトルネード投法を用いてゴミ箱へと投げ捨て、ヤツとは金輪際の縁を切った。
「マスクを付けたらインフルエンザになるぜ」、もはや口癖の一つだ。
今日はブコウスキーの命日だ。
冷たい雨降る寒空の下で脂汗を乾かしながら塩梅をチョロマカし、ハッタリ仕草でJPSを二本吹かし、
俺は親泣かせの逆ワンダフル野郎なのかも知れないと思ったら愛しさと切なさと何ちゃらが同時に襲ってもくる。
今日はブコウスキーの命日だ。
体重計を手に入れて以来、ソイツに飛び乗るのがもはや日課だ。
スーパーガリヒョロボーイの称号は171cm以上49kg以下の人間にのみ与えられる。
今の俺は52.4kg、地団駄を踏んで称号を取り戻す日を待ち侘びている。
時々思う事がある、「俺ってひょっとしてオカマなのかも知れない」。
真夜中にヘベレケで、床に落ちた髪の毛を一本残らず拾い、「コロコロ」という名のアナログ武器を熟れた手付きで転がす時、
そして満を持した表情で体重計に飛び乗る時なんかにハッと思う、
「俺ってひょっとしてオカマの最高峰なのかも知れない」。
今日はブコウスキーの命日だ。
そして俺はまだ生きている。
'12.4.10(火)
【レッツゲットロマン】パート13
アット 下北沢BAR?CCO
高哲典 / 石指拓朗 (THE WATTER / うずら) / etc...
OPEN 19:00 / START 20:00 / 1500 (+2order)