December 06, 2012
ダンス・ウィズ・ザ・チェルシーホテル ’12




穴は開き放題、行きつけ靴修理屋兄貴は生粋苦笑いにてごちる、
「もうこれ以上は直せません!」、
そんな愛すべきズタボロブーツに隙間風ってヤツが吹き抜ける、
季節は2012年12月。
とにかくニューヨークへ行こうとずっと思っていた。
泊まるならボヘミアンの聖地、チェルシーホテルなんだと頑なに粋がっていた。
そこに泊まる理由は明確だったし、
「俺だってチェルシーホテル住人の仲間入りだ」などと永久にホザく権利を得る為には断固必要な行為なんだと決め込んでいた。
季節は2010年12月、
俺は気付けばチェルシーホテルルームナンバー902のキーを受け取り、スゥイートハートを根こそぎ爆発させながら興奮の坩堝で叫んでいた、
「おい!遂に来たぞ、おい!」だとか何だとか、鏡に写る輩に向かって叫んでいた。
朝、昼、晩、雪の中、真夜中、ホテルを出る時、戻る時、毎回毎回のシーンを写真に収め、その八倍を胸中に収めた。
エレベーターを使うなどオカマの最高峰なんだと洒落込み、902から階段で一階まで下りた、
「おい!キテるぞ、おい!」だとか何だとか、当時から一緒に歩き続けていたズタボロブーツに向かって叫んでいた。
ニューヨークへまた行きたいとずっと思っていた。
そしてチェルシーホテルをずっと気に留め、「この季節なら一体幾らでステイ出来るのか?」とたまに調べたりしていた。
それを見る度、何ヶ月先まで「空室無」となっていた。
そして本日、チェルシーホテルが知らん間に閉鎖されていた事を知った。
俺が三日間ステイした、その僅か何ヶ月後かに。
信じ難い事だ。
あまりに平たくヤスい話、「気付けばニューヨークへ居た」ってのと「気付けば死んでいた」ってのは同義だ。
早い話、抑え切れん程の衝動に駆られた際は、専売特許のスナック感覚駆使して直ちにその場へゴーだ。
水が出ないってコトより大事なコトが胸中12リットル分溢れかえっている限りは。









