May 23, 2015
Let's get seoul,15 May
大好きなドキュメンタリーフィルムの一つにボブディラン「DON'T LOOK BACK」がある。1965年、ジャスト50年前の記録だ。
ソウルに撮影班が一緒に行くと決まった時、まず思い描いたのがこのフィルムの様な光景だ。
May 15
ソウルに出向く前日から全員、興奮は既に沸点を突破していた。 成田空港、御多分に漏れず荷物検査に引っ掛かり、両手を上げて捕えられた猿の如く検査されていたオレは他の仲間に目で合図を送った、
「この光景も撮っといてくれ」
カメラを構えた男は直ぐに注意を受けていた、
「撮影は止めて下さい!」
その瞬間から一人では到底成し得ない強さがあった。
現地、税関での悶着を予想しあれこれ思考していたがスタイリッシュ極まる速度で10人共に税関を突破、
韓国に入って最初の自動扉が開いた時、待ち構えていたのは我が目を疑う光景だ。
その瞬間から現地のカメラとインタビューを受け、ソレをこちら側の撮影班が更にカメラで撮っていた。
「ワタシはラルクアンシエルでは御座いません」だとか何だとか、ホザく余裕もなく空港からゲストハウスまで移動、
その特急列車の中でもカメラとインタビューに応え、列車に同乗している黒人ファットガールやクールジェントルマンからは「貴様はフー?」の目で見られていた。
そんな人達に伝えるべきコトはまず一つ、「ワタシはラルクアンシエルでは御座いません」。
格安ゲストハウスにチェックインし、即座に会食場へ移動、オレ達は10人でやって来た。それぞれがそれぞれの役割を持って。
ソレが誇らしかった、オレは10年前、仲間が少なかった。
会食後、当初ライヴを演る予定だった「空中キャンプ」へ移動、
そこは日本の音楽を愛する人達が作ったバーであり、店名は無論、フィッシュマンズから拝借したモノだった。
卓球台が置いてあり、スマッシュをキメまくり、その間、スピーカーからは「ダンス・ウィズ・ザ・ドキュメンタリー」がニクい音で流れ、ジャーマネは早くも次へ向けて仕掛けていた。
気付けば朝が来て、まるで眠る気にはならず、追加のビールを買ってゲストハウスに戻った。
反日とは何なのか、嫌韓とはどうなのか、オレにはまるで分からない。一部を切り取った奴等が騒ぎ立てているだけだろう、ナマで見るコトもせずに。
喫煙所で見たソウルの晴れ渡る朝、まるで天気の心配はなかった。