October 03, 2017

地球の夢 '17 vol.3


cafe Reggio
cafe Reggio2


思うに、書き残しておきたい事が多過ぎて永久に追い付けない。書く事だけに全てを捧げて没頭出来たら本望だが、そうは問屋が卸さないってのが生の仕組みだ。

ジャックケルアックが「路上」を書く時、タイプライターの紙を入れ替えるのが心底シャラクサくて、トイレットペーパーみたいな長いロール紙をセットしてただ書くだけ事に没頭したという逸話がある。必要なのは情熱でしかないだろう。

ニューヨークでは「Caffe Reggio」という西四丁目(グリニッヂヴィレッジ)にある老舗のカフェにほとんど毎日入り浸っていた。

そこではスープヌードルを食べる時に使う様なビッグカップに、なみなみと注がれた珈琲が出てきた。俺は云った、「断固ノンシュガー、ブラックプリーズ!」。$2.50。 

ある日、ライヴハウスのオープンまで中途半端な時間が余った時、またそこへ出向いた。

入るなり、ヤケにチャーミングな国籍不明のウエイトレスが俺の首元を指差してホザいた、「貴様のネックレス、グッドね!アーハー?」。

その日は何か食べてみようとメニューを凝視し、大好きな「penne」と「tomato」のキーワードだけを頼りに注文したら、見た事もない代物が出てきた。

例のウエイトレスが云った、「待たせたわね!エンジョイするのよ!」。

想像したモノと色も味も違うモノでありながら量はざっと三人前くらいあった。君も一緒なら良かったのにと思ってしまう瞬間だ。

得体の知れん代物に躊躇し、胡椒などを駆使して粘ったが完食は不可能だと判断した。食べ物の写真を撮るのは抵抗があるが、元を取る為に撮る事にした。

そしてオマケに、例のウエイトレスにせめてもの礼を云うべく、なるべくは使いたくもない携帯電話を駆使して「ごちそうさまでした」の英語を調べた。情けない行為だ。

「it was delicious」、そう告げた時、まだ皿には大量の「penne&tomato」が残っていた。その辛うじての一言をウエイトレスは聞き流し、無視した。それまであんなに陽気だったのに。

文化が違うと分かり合えない事がある。そんな事は日本だけでも腐るほどある。

ようやく「Caffe Reggio」を抜け出し近くのライヴハウスに向かった。屈強な男達のブルースが始まった。そこでは文化の違いなどどうでも良かった。そんな類いは一気に突き破ってリズムで踊り一緒に唄えた。音楽に敵うモノなどないと思ってしまう瞬間だ。

そんな時、俺の歯は暗い場所でも分かるほどの緑色だった。バーカウンターを一人で切り盛りするアジア系のクールビューティガールに俺は云った、

「ヘイ!バドゥワイザー、もう一本」。




drecom_eroom5session at 10:35│Comments(0)AMERICA 

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