April 09, 2018
ガリチュウ言及 '18
「ガリチュウ」という呑み物がある。酎ハイに寿司のガリを入れた呑み物だ。発祥は大阪らしい。
大阪に行く度、今度こそは呑むぞと意気込んでいたが、毎回ソレにありつく機会を逃していた。
旅に出る直前、3月いっぱいで店を閉めるという横須賀のneirocafeに出向いた。たかだか二回しか行った事がなかったのに、そこは気付けばとても大切な場所になっていた。閉まる前にもう一度、どうしてでも出向く必要があった。
そこにはたまたま「ガリチュウ」があった。オレは遂にソイツにありつき、次から次へと呑み干しながらグラスに沈んだガリをいただき、マスターと価値しかない与太話を朝まで続けていた。
さて、旅の初日は初めての街、四日市だった。 バスで名古屋へ向かい、名古屋から四日市行きの電車に乗り換えるスケジュールだった。
時間は充分に取ってあったが、そのバスが何と後ろからトラックに突っ込まれる事故に遭った。バスは4時間程度停車し、間に合うのか否かさえ不明な境地に立たされた。
お母ちゃんの口癖、「アンタほどややこしい男は知らへん」 が脳内で何度もフラッシュバックした。
ジャスト21時、滑り込みで会場の「JAZZSPOT VEEJAY」に辿り着いた。会場は満席に見えた。ロクな挨拶も出来ず、状況も掴めずその足でステージに立ち、5分後にはセッティングさえ済ませ颯爽と唄い出していた。
「これこそが真のチャックベリースタイルなのか」とか思いながら、歌詞だけは間違えない様に唄っていた。チャックスタイルを更に貫くとすれば「ステージを終えたならその足でキャデラックに乗り込み、颯爽と次の街へ向かうべきだな」とか思っていた。
しかし、残念ながらオレにはキャデラックどころか免許さえない。オマケに学も。ステージを終えたオレに出来る事ならただ一つ、この街に留まり、この街を落ち着いて知ろうと企む事だ。
午前3時、オレはようやく落ち着きを取り戻し、連れてきてもらった立ち呑み屋にいた。ついさっきまで知らんかった街が、既に大好きになっていた。
ふと壁を見るとでかい字で「ガリハイあります!」と書かれていた。「ガリチュウ」と断固同義に違いない。
即座に注文したオレに、横にいたミラーガールが問った、
「ガリハイって何ですか?」
「知らんの?お寿司のガリを入れた酎ハイや!コレがほんまに美味くてな。いやー、四日市にもやっぱりあるんや!嬉しいわ」。
さて、「ヘイお待ち!」と大将が右手で差し出してくれた「ガリハイ」にはグラスに丸々一本のガリガリ君がヤケに得意気なツラをして酎ハイに浸かっていた。
ミラーガールが笑いながら云った、
「全然ちゃうやん!」。
そこに恥ずかしさはない。「色々あるで!」と思っただけだ。
そして、この街が更に好きになったってワケだ。
drecom_eroom5session at 08:29│Comments(2)│
│旅
この記事へのコメント
2. Posted by 高哲典 April 11, 2018 08:20
オレも差し出された時は我が目を疑いました。シュワシュワいうてましたな!美味くは、ないかな!
1. Posted by ひっくりかえしたカルアミルク(笑) April 10, 2018 10:50
会社でこっそり読んでいて、噴出しました(笑)
でも、美味しそうですよ(笑)
でも、美味しそうですよ(笑)