December 04, 2024
魂と乗り物維持技術 '24
'24.12.04
2020年12月、車の免許を手に入れた僅か一ヶ月後、気付けば俺は車まで手に入れていた。捺印、割印、また捺印。生き急ぐソウルマンの如く、取り憑かれたように事を運んでいた。
更に驚いたのはそれから僅か半年後、今まで乗った事さえなかったオールドのマニュアルバイクを手に入れ、気付けば江戸川くんだりからエンジンストールを幾度も繰り返しながら知らん町を走っていた。
早い話、俺はノリにノリっていた。そして早い話、それは今も変わらない。新しい道こそ全てだった。それは古い乗り物でも構わない。
バイクは壊れては復活、復活しては壊れてを繰り返し、いまやほとんどの部品をオーバーホールし絶好調といった有り様だ。信頼出来るメカニックに出会えたからこそ可能な芸当だ。
あの夏、汗を垂れ流しながら壊れたバイクを押し続けた数々の坂道を通る度、俺は全てを間違っていたんじゃないかと当時一瞬だけ頭を掠めた感情が蘇ってくる。
あの頃、当たり前に走り去るバイクを眺める度に口から吐き出していた言葉は、「走るバイクっていいよな」だった。それくらい、俺のバイクは走らなかった。
車はといえば当初、海に行く約束をして友達を迎えに行く途中、完璧にオーバーヒートして以来、何の問題もない。その日、海に向かうどころの騒ぎではなくなった事以外は。
去年、一回の旅で1900km以上を移動した。あの旅は遅れ馳せながらの歓喜だった。自らの車で、運転席に鎮座し、後部座席にギターとトランクを積んで移動するなんて、来世でも不可能な事だとさえ思っていた。歓喜だったが経費は嵩んだ。
穴の開いたギターと同様に、この二台の乗り物を大切にしたいと思っている。手放すだなんて、そっちの方がよっぽど狂っているんじゃないのか。鍵は俺だけが握っている。
新しい道こそ全てだ。それはずっと変わらない。
drecom_eroom5session at 21:06│Comments(0)│
│散文