短編

October 16, 2014

池下駅前のファッションヘルスに流れ星が落ちたから ’14


さて、近頃は本ばかり読んでいる。レコードを漁るのとまったくもって同じ要領で本ばかり漁っている。

なんというか一曲聴くのとは違い、一冊となればそれぞれかなり時間は掛かるんだけれど。

リズム溢れる文章、胸躍る皮肉、滴るウィット、零れるチャーミング、生粋ストーリーテラー、それ等が備わってこそ初めて、読み物と呼べるだろう。

オレもそうでありたいと願っているし、そうじゃないと意味ないと唱えている。

アンタの周囲にも大多数居るだろう、平均こそ勝利って類いが。ギャンブルなんて無縁って類いが。ソレは、要するにオカマだろう、平たく片付けるのなら。

そんなワケでフィクション仕立てで一編仕上げたくて仕上げたくて胸中が収まらない。

「何故?」ってそんなモンにそれなりの理由なんか並べたって「意味ない」だろう。

働いて、移動して、思考して、移動して、働いて、右往左往して、移動して、働いて、エトセトラエトセトラ、名古屋への準備時間は推定28分、

違う点はただ一つ、我が麗しのポストマンバッグに自らのパンティと靴下を詰め込んでいるか否かくらいだろう。

「貴様、ギリギリまで眠っていたんだろう?ソレは貴様の管理不足ってモンだぜ?」、

そうじゃない、男なら片付けるべき順序ってモンがあるだろう。

そんなコトで愛すべき下北沢CCOへ向かう時とまるで同じスタイルにて名古屋へと向かう。

目当ての電車がやって来る合図が聞こえたので、すなわち、踏切の音が聴こえたのでオレはとにかく走った。

走ったらズタボロ財布に留めてある安全ピンがアスファルトに転げ落ちた。ソレはオレに取って、大切な代物に違いない。

トラック警備員が親身な素振りで声を掛けてくれる、

「兄貴、落としてますよ」

「はぁ、どうも」

拾った安全ピンは一つ、「もう一つある筈なんだけど?」、

アスファルトを睨みつけている内に目当ての電車は颯爽極まる速度を保ったままに行ってしまった。

辛うじて次の電車に飛び乗りシケた街のバス停留所まで目指す。3列シートのフワフカ座席に凭れて名古屋着8分前まで熟睡、

ソイツがせめてもの理想なんだがと辿り着いてみたら既に停まっていた名古屋行きバスは断固一歩も譲らない、4列シートのあん畜生だ。

「コレがボクの乗るヤツで?」

「えぇ!窓際何列目の・・・」

その何列目かに向かえばオレの隣を独占しているお姉ちゃん、

「いやぁ、そこはボクが座り熟睡する筈のシートで・・・」。

そんなこんなでお姉ちゃんの匂いを嗅いだり本を読んだり眠る姿を眺めたりなんだりしている間に名古屋へと到着。

云っただろう、コレはフィクション仕立てが生んだ賜物だ。行間を読み、楽しめるか否かで質はキマるんだ。

渋滞により小一時間の遅刻、次に目指すべきは一目散に格安ホテル、

PM14:33、個人経営風情のホテルへイン、まだ時間はある。

巧みに、すなわち、ドンクサさ皆無でコトを運べば風呂に入り、弦を替え、アレしてコレしてソレも出来るがや!などと夢希望も膨らむってなモンだ。

しかしフロントとは名ばかりのおっさんは涼し気フェイスをキープしたままにヌカす、

「えぇ、チェックインはPM16:00でして・・・」

「あのー、なんというかその、少しばかりのサービスってヤツは?」

ホザく気力も無いままに名ばかりのフロントにハードケースとトランクだけ預け、駅前の定食屋へと出向く。

アレコレ思考しながら唐揚げ定食を召し上がっていたら、後に来たオッサンが真隣りからチロジロとオレを眺めている、

「貴殿、髭以外にボクの顔に何かある?」ヅラだけどうにかキープしながら眉間に皺寄せ気にしない素振りで召し上がっていたらようやく奴さんの頼んでいた卵焼き定食がオバサンにより運ばれてきた。

「遅くなってすみませんー」、ソレは確かに棒読み台詞ではあったがどうにか大丈夫、切り抜けられるだろう。

安堵したのも束の間、奴さんがそのオバハンに文字通り喰って掛かりやがった、

「おい!ヘイ!卵焼き定食に20分強待たされるってな話は聞いたコトあるか?」

「はいはいすみません」、願わくば関わり合いを持ちたくない胸中のオバハンがそそくさと厨房に戻ろうとするその丸い背中に奴さんは畳み掛けた、

「おい!ヘイ!まだ話終わってないのに何処行くねん?へっ!こっち来んかい」

さて、オレはといえばオバハンの行く末案じて、唐揚げ定食はとっくに食べ終えているにも関わらずその場へ座ったままだ。他に心配すべき事柄など塵の如くあるというのに。

コトの顛末を見届けて、いや、これ以上はとても見ていられないといった塩梅で定食屋を後にしPM15:47、格安ホテルへと舞い戻る。

シャワーを浴びていつかの汚れを落とし、弦だけ替えてチューニングもそこそこに6周年アニヴァーサリーのGURU×GURUへと向かう。

白い板の扉を開けたなら其処にはやはりミスター・DJ Die氏がいらっしゃる、「やぁ、久し振り!元気?」

取り急ぎJPSに火を点け、ようやく灰皿に目をやれば信じ難いほどにクールな灰皿がテーブルには鎮座、

「ヘイ、Dieさん。まず、この灰皿ほどにイカす代物は見たコトがないんですが・・・?」

そのテーブルにはそのまんまJPSの、真っ黒い且つニクいジャケットのJPS灰皿が堂々たる面持ちで居座っていた。

云っただろう、コレはフィクション仕立てが生んだ賜物だ。まぁ事実、そんな感じで会話は弾んだ。

記憶が確かなら此処にやって来たのは2011年8月以来だ。アレから色々あった。ソレは無論、GURU×GURUに取ってもそうであったに違いない。

オレは懸命に唄った。だってソレを演りに来たんだから。見るからにパワーアップをカマしたGURU×GURUの6周年を祝いに来たんだから。

手を抜くだなんて無論、オカマだろう?

演り終えた後、オレは即座に呑み出した。そしてようやく思い出した、なんと一曲唄い忘れていたってコトに。

オレは思った、忘れるなんてオカマだ!って類いのコトを。

カウンターに腰掛けていた、見るからに威厳ある大男が誘ってくれた、

「おい、バーボンはロックで良いか?」

オレは答えた、「ふぃー、ロックじゃないなんてクダラナイでしょう?」

ジャックダニエルをしこたま流し込んだ。もはや眠気は宇宙の果てに消えていた。

演り残した雪辱があるとするなら、オレはソレを名古屋で返そう。

一つだけ確かなコトがある。オレがもし、イカした池下駅前のファッションヘルスボーイであるなら、勤めを終えたその足で毎夜、GURU×GURUに立ち寄るだろう。

だって、そこにはロマンしか溢れてないから。其処にある小物とかチラシとかを眺めたなら人生ってヤツが一目瞭然だから。

明くる日、オレは東京駅行きのバスへと飛び乗った。用意されたシートは3列シートだった。

本を読み終え、ようやく眠ろうとした。バスはショウモナイ渋滞により、2時間強遅れていた。

オレなんかより遥かに草臥れているのであろう運転手の声がマイクを通して聞こえていた、「横浜辺りから、30km強の渋滞が予想されます」。

奴さんの胸中を悟りながら、僅かながら眠りコケた。

次は北海道、御多分に漏れずパイロットの胸中を悟るコトになるだろう。

云っただろう、コレはフィクション仕立てが生んだ賜物だ。フィクションと真実の垣根を飛び越えてただ、勝利を狙えば良い。

 


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July 24, 2013

猿小屋移転追求 ’13


締切続きの総本山このワタシ、カラクリ政治にまつわる戯言はともかく今夜のテーマは「猿小屋移転」だ。 

この小屋へ来たのは2005年8月甲子園開催時、こちとら24歳のトンガリポッピンプアー時分、

当時視察に来た時から「ちょっと狭いで」だったこの小屋、

魅力は一点、万全の防音環境、真夜中のダンスタイム、丑三つ時から真っ昼間にかけてのパンクロック、

オマケにエロティシズム漂う会話さえも洩らさないってな強靭仕様。

「ここにキメたで」ってコトでそのまま丸8年が経過し増え続けるのみのレコード、CD、ボーリングピン、空瓶、ヴィニール盤、本、レコード、フライヤー、ヴィニール盤、

オールオーケー、総称して宝、

いまや一体何処までが玄関で何処までがベッドなのか皆目見当つかずでスタンディング三昧ってな有り様。

怒りに塗れた家主から「貴様、懲りもせず更新するのかしないのか?」って問いに「5日くれ!」などと息巻き、

その間、水面下にて事情を察し我侭オンパレードの注文に応えて遂に素晴らしい住処を掘り出してくれた不動産屋兄貴、

家賃低め、平米多め、立地ジャストなその建物は環状七号線沿いの昭和55年築鉄筋コンクリート1DK隠れ家ダイナミズム、

昭和55年、すなわち生まれ年、すなわち猿、すなわち「新・猿小屋オフィス」、これぞロマンのど真ん中などと洒落込むに条件は強固合致、

文明の利器「電卓」なる代物からはじき出された初期費用金額見たとて夢冷めず、一旦興奮冷ます為に向かうはフラッシュディスクランチ、

「引っ越しの苦労とレコードは別だ!」などとカマし14枚、

7inchを次から次へと裏返し、踊り、もはやベッドなのか物置き場なのか分からん定位置にて遅ればせながら我に返りシャウト・ダ・シャウト、

「ノーマネー!ウルトラの!」だとか何だとか。

ところでアベノミクスって一体どういう意味だ?お好み焼きか何かの類いか?

さて、締切続きのローリン小僧このワタシ、気付けば7月も終わりに近付いているというのにいまだ背泳ぎの一つもキメれてないってな塩梅、

そんなこんなで様々な事柄に言及していたら暮らしにまつわる肝心なコトを忘れていた。

水道供給停止に気付くAM10:43、ポマードのこびりついた両手と顔をルートスゥイートホーム沿いの公園で洗い流すAM11:18、

「オレは何をやっているんだろう?」などと一人ごちながら。

ところでTPPって一体何の略だ?トンガリポッピンプアーで一致か?

確かなコトはただ一つ、コレは政治のせいなんかじゃない、締切続きのオレの誤算だ。

オールオーケー、スナック感覚失敗、移転は延期だ、眉間に皺寄るPM16:55。

最後にボッサガールから一言、

「でも、甲子園には行くんだよね?ハフッフ!」

「引っ越しの苦労と甲子園は別だ!」ってなモンで夢見がち極めるギャンブルは続く。

確かなコトはただ一つ、蛇口を捻って水が出るだなんて断固奇跡だ、

来週は沖縄で会おう、生きている限りは。
 


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May 07, 2013

レッドウィーク・ストライクス ’13


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男が履いた靴下の柄があまりにハイカラで、勝手にヤツの裾を捲り上げながらホザく、

「コレ、ええね!!」

シンプルに生きたい。

ゴールデンウィークだとかディズニーランド二連泊だとかバーベキューだとか何だとか、そんな類いは終始ノープロブレム事項、

オレはいつだって本気だ、かの有名なレッドウィークってヤツに。

毎日毎日アメリカの風景が頭に浮かんで浮かんで絶え間ない、

自転車で坂道を髪の毛乱して漕ぎまくっている時なんかに。

「天国って何処?」って答えは一つ、

ニューオリンズだよ×15347。

あー、またしてもありふれた声が轟いてきやがる、

「アンタって寂しいのね!」、じゃねぇ!

寂しさはそんなところには無いぜ、他を当たってくれないか。

焦燥ポストマンが猿小屋を盛大にノックし、胸を張り草臥れたツラのままこんな風にヌカす、

「コウテツノリ様!お荷物です!」

オニモツなのはもはや貴様だ、寂しさはこんなところにある。

オレはレコード屋とかレコードがギシピタと棚に詰まりまくっている写真だとかレコードにまつわる文章だとか何だとか、

すなわち、オレは「レコードにまつわっている事柄」が自分が思っているその39倍は好きらしい。

時々、いや、正直、頻繁に思っている、

なんでオレはレコードだとか古着のバイヤーにならず、いや、なれず、こんなところで一丁前に生意気な口を利き続けているのかってコトを。

とにかくええ加減ヤメにしないか、

「今度行こうぜ!」だとか「また誘ってくれ!」だとか「嘘笑い」だとか一切思ってもいない「すみません!」だとか何だとか、

当たり障りのないその場凌ぎハッタリトークはいとも簡単に化けの皮を剥がされるって仕組みだ、

ソレ、全部バレてるぜ、「思ってないやろ?」ってコトで。

うー、またしてもお馴染みの戯言が響き渡ってきやがる、

「よく生きてこれたね!」、じゃねぇ!

大喧嘩かディープキッス、二つに一つ、

そう、シンプルに生きたい。

自分ってヤツを取り戻す為には数時間を要す、その間は読書、物語に入り込むに限る。

時々、いや、正直、頻繁に思っている、

携帯電話なんて一目散に捨ててしまいたい。

思えばいつからかあまりに物騒なモノを持ち歩く様になった。

バット、捨てないどころかメイルアドレスを換えた試しなど一度とてない、

もはや換え方さえ分からない、

むしろ、分かったとて換えるワケもない、

悪いコトをした時は素直に謝れ、みっともないぜ、ボーリングストライカーズ。

さぁ、「与太話且つ茶番劇に掛けては右に出るモノ皆無」って様相を呈して明日からはレコーディング・イン・マジックス、

さぞかし大事にしている詩をツバを吐きまくりながら遂に録音させていただくってコトにしたんだ。

やー、またしても呆れられた声が脳内を慎ましやかに刺激しやがる、

「よく友達居ますね!」、じゃねぇ!

第一弾メンバーは、


Vo&Ag / 高哲典
Eg / 斉藤敬介(cheese young)
Ag / ウエタケユキオ
Ub / 佐藤亮平
Dr / サンコンJr (ウルフルズ)
Cho / 島田さをり


オレは幸せだ、一人じゃ成し得ないコトが出来ているって点で。

先日スタジオに入った、素晴らしい、美しい、オレ個人の思考では。

コレがダメならモバイルフォンなどは穴空きまくり空っ風ブーツで踏み潰したとて俄然オーケー、

そんなレッドウィークにて週間突破、神聖ジョブはこんなところにある。

大喧嘩かディープキッス、二つに一つ、

その中間はニセモノだ、

その部分、まるで好みじゃない始末。

「アンタって気難しいのね!」、じゃねぇ!

そうそう、オレはただ、シンプルに生きたい。 


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March 21, 2013

ベースボール小僧の夢 ’13


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'13.3.18

今、最もホザきたい台詞は「バンド組まんか?」ではなく「野球チーム作ろか!」と相成る永遠のデッドボール野郎このワタシ、

実現した暁のチーム名さえ既に頭の中。

実現する為にまずキメるべきコトはただ一つ、かの有名な「準備」ってヤツに他ならない。

「打てる男」と「打たないオカマ」、チョイスすべきは一目瞭然、前者だ。

何十時間も眠らず突き抜けた試合前夜、オレは興奮しながら聞かれてもないクセに勝手にヌカしていた、

「はっ?明日?野球だよ、野球!」だとか何だとか。

目覚まし時計鳴り響く前に颯爽と起き上がるAM07:38、いつもなら真夜中の時刻、

バット、今日は違う、野球だよ、野球。

頭にタオル巻きそそくさと羽根木スタジアムへと向かい球場外を一周ランニング、

オールオーケー、まるで7月3日かの如き暑さだ。

キャッチボールからハッタリノック、断固胸中は高まるばかり、

オレは何と今から球場で野球をする、誘っていただいたんだ。

ヘマをするだなんてキングオブモグリ、遊びじゃないんだ、オレはいつだって本気だ、

「役立たずの厄介者」、赤面最高峰のレッテルなどオレは望まない。

スターティングメンバー発表、「5番セカンド、オレ」、

オールオーケー、オレは何と今から球場で野球をする。

第一打席、早速満塁絶好のチャンスでバッターはオレ、

背中越しに血湧き肉躍る野次が聞こえてくる、

「ヘイ!華々しいデビューを飾れ!」

オールオーケー、カウントは2-3、

相手ピッチャーはレピッシュMAGUMI大選手、もはや何が何だかまるで信じ難い光景、

そしてバッターボックスの中でバットを振り回しているのはオレ。

「ピッチャー投げました!ボール、ボール!押し出しのフォアボール!バッターヒゲタオル、良く見ましたー!」

ってなモンで第一打席。

守備位置に付けば甲子園に於ける高校球児とまったくもって同じであろう指数の胸中大爆発を獲得、

キャッチャーが全員に声を掛ける、

「ハイ、2アウトー!」

声を上げるセカンド守護人、

「ファー!!」

オレは今、何と大嫌いな筈の「団体」で勝ちを目指す野球に参加している。

球が飛んでくる、キャッチしファーストへ投げる球、痛快極まるアウト!

ライト守護人から背中越しに血湧き肉躍る言葉が響いてくる、

「ナイスキャッチ!」

オールオーケー、泣きそうだ、オレはどうやら思っている以上のベースボールラヴァーズみたいだ。

第二打席第三打席、エゲツナいボール球にさえ手を出す、

一発打たんコトには気が済まず、オレはオレを許したくなかったが結果は凡打でヒットゼロ、

そして試合はタイムオーバーにより7-7、すなわち、「球史に残すべき名勝負」などと洒落込むコトさえ可能可能。

観客無の練習試合でさえあんなに盛り上がるってコトは甲子園に立つ奴等の胸中、察してみただけで驚愕だ。

そんな訳でオレは野球を始めたい、まずは一発打ち、存在感のアピールに精を出したい、

その為にまず振るべきモノはただ一つ、かの有名な「金属バット」ってヤツに他ならない。

さて、最後に一言、「いつか野球チーム作ろか!」、

7inch盤の次に作りたいモノは文庫本とユニフォームなどと懲りもせず粋がる昨今、

チーム名さえ既に頭の中。


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January 30, 2013

テクノカット・レッド・ブルース ’13


魂丸ごと吸い取るチラツく前髪&ボサヴァサヘアー、

苛立ちの元凶はまずコイツなんだと決め込み、とっとと切り落としてもらおうと簡易床屋へと出向く。

「前髪、後ろ、横、そりゃもうスッキリで」

注文出してジャスト18分、鏡に映るヤケに腫れぼったいオネム面の輩を覗き込む、

すなわち、こちとら自身を覗き込む。

コトを終えそのまま帽子を被りマジックススタジオへと出向き、何よりも落ち着くいつもの頭タオル巻きスタイルに切り替え、

髪の毛の切られ具合の確認も疎かに神聖作業に没頭する。

ジャスト10時間39分後、猿小屋舞い戻り再び正面から鏡に映るオカマ、いや、輩と御対面。

そして間髪入れず、遅ればせながらのシャウト&シャウト、

「おいこれかの有名なテクノカットとか何とかっちゅうヤツちゃうんけ?!モミアゲ何処行ったん?なぁ何処なん?ヘイ美容師アンタ知ってる?こんなんでハッタリーゼント出来るん?確かにスッキリ云うたか知らんけどオカマにしてくれとは一言とて云うてへん筈やでほんま誰が頼んでオカマになりたいとか云うの答えてみてこの元凶ピーナッツ野郎&%$$#=||¥¥¥!¥&:;???Y%@T3##"9!!」

・・・・・

オーマイベイブ、取り乱している様に見えるかも知れねぇが分かっている、

「どうでもええで、そんなコトは」。

一つの事柄を片付ければ三つのやるべき事柄が増えている、そんな昨今、

髪の毛にまつわるエトセトラエピソード(EE)などもはや八の次でオーケー、

全ての事を許せんモンかと考えてみる、テクノカットとか何とかっちゅうスタイルだとて。

ザ・ドリステンズは四曲をオールコンプリート、残り一曲は明日完成、

合間には猿小屋オフィス&レコーズの名刺を作成し即座にオーダー、

我が愛しのCCOにて珈琲を啜りライヴを観て、

アレとアレとアレもまだ手付かずである事実に閉口しながら、

息抜き、或いは吐き出しの最高峰手段として文章を羅列する。

「ザ・ドリステンズ」五曲入りepのタイトルは本日決定、

どうやら逃れられないファッキンデジタルの荒波にダイヴカマしながら歌詞カードを作成しよう、

テクノカットとか何とかっちゅうスタイルで。

帰り道、モダングレイツエンジニアとして名高き徳毛伸一大兄貴が辛口ガムを差し出してくれる、

「そりゃもう、ガムでも噛んでカッコつけようや」

駅までの道中、ガムを噛みまくりながらニヒル気取りで風切り闊歩する俺達二人組、

おっとっと、忘れたらいけん、片方はテクノカットとか何とかっちゅうスタイルだ。


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December 19, 2012

ノンアルコール・ノンフィクションズ ’12


2012年12月、狂乱のハッタリ波乗り野郎このワタシ、

お気に入りのブラックシューズはソールペラベラ、眉間に皺寄せそのままにキメるダンス、

靴職人兄貴、またしてもアンタの出番、

ヒップトランクを直し、指輪を作り、ブレスレットまで作ってくれたアンタ、

すなわちアンタ、俺の中でとっくに靴職人の枠を飛び越えているって寸法、

指輪もブレスレットも水に浸かりまくりとっくに腐っている、なんせ一時も外さない、

バット、ソレでも絆創膏で肌を覆い嵌め続け、アクセサリーの類いを外すという選択肢など金輪際皆無、

ある人に取ってはド阿呆、ある人に取ってはロマン呪縛人、

ソレが信条だ、

たとえお母ちゃんが「アンタ!あんまり近寄らんといてや!」などと嘆いたとてだ。

丸二ヶ月も音沙汰無く借りっ放しにしていた特級ジャケットを返しに古着屋兄貴の下へと出向く。

ウェイヴモンキーを発見すれば1.38秒のワールドタイムにて奴さんセッド、

「ソレ、あげます!」。

ほんまにAんか?コレ、特級品やろ?この素材、かの有名なシルクちゃう?

確かに断固返したくはないで、モダン仕立て屋にてオーダーカマしたかの如きジャストフィット感、

「ボクよりピッタリの人が着た方がコイツも喜びます。首の部分が少し破れているのが残念ですが・・・」、

残念?この男前ナニをUとんの?正気か?×未知、こちとら両肘部分ドーン突き抜けたとて着るで、

ソレが愛情だ、

たとえお母ちゃんが「貴様!ウチの子や思われたないわ!」などと哀れんだとて、いんやボクはなんとアナタの子なんですとUで。

パンクしたままのポストマンバイク、パンクどころかホイール丸見え、

だから乗り込むファッキントレイン、耳に聴こえる自作自演屋。

昨晩、ジョーストラマーの没後10周年イベントへと出向く。

連呼する「ハイネケンもう一発!」の中、そこには久方振りに再会するヤツの顔がある。

根こそぎポリシー曲げてしまった連中には到底理解出来ない現役の狂喜がソコにはある。

そして、先月の下北沢ラグーナで、神聖なライヴ中に怒り狂ったコトをキッカケに意気投合した浜田ケンジと語り合う。

怒り狂ってみるモンだ、そこに怒りの種が蒔かれ続けやがる限りは。

あんなタイミングで完璧に近い水準で仲良くなれるファッキンナイスガイに悪いヤツなど居ない、こちとらそこそこに実証済、

ヤツはどうやら一つ年上だ、どうでもAでそんなコトは、

さて、二人は全く同じコトを一ヶ月間思い、そして同時に口にした、

「一緒に稼ぎに行こうぜ!ファー!」、キマリだ。

とにかく2013年1月発売と銘打つ1stフルアルバムタイトルは【ダンス・ウィズ・ザ・ドキュメンタリー】、

2月、それに伴い一人南の方までローリン漂流者気取りにてジャリズリゴー第二弾、

何年か振りに手に入れた手帳は黒く塗り潰すってのが強固性に合う、

2013年、旅はエゲツナく加速するばかり。

おっと、滅多に話し掛けてこないポッピン小僧が意気揚々と突然問い掛けてくる、

「ねぇ、最近もジャリズってますか?」

「そりゃそうよ」

「あのボク、来年インドに就職決まりました!ボクもインドでジャリズって来ます!」

ちょっと待ったらんかいジャスタモメンプリーズ!×153、

キミ、ムチャイカすな!×291。

さぁ、カジカんだ左手をズタボロポッケに突っ込んで歩く時、「居心地の良い女の娘」の右手が一緒にポッケの中に収まってるってのは一体どんな気分だ?

俺はその胸中に従順でありたい、

年を越すにはまだまだ片付けるべき事柄が多々ある、

ポリシー曲げて気取るだなんてソールペラベラのブラックシューズと同義だ、すなわち、まるで巧く歩けない始末。

ひたすら狙うで、2012年を円滑に締め括る前に。2013年って最新型に颯爽極まるダイヴカマす為に。


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December 01, 2012

猿小屋オフィスで追い掛けて ’12


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発表すべき事柄は目白押し、

まず、注目されている、されていないに関わらずでゴー。

カマしたい事柄が溢れ過ぎている時に直ちに捻るべきモノはたったの一つ、

頭だ、蛇口じゃない。

辿り着く師走、師匠も走れば猿も駆けまくる季節、とうとうお出まし。

左手でメイル、右手で別確認、その最中に鳴り止まない電話、

左耳に様々な声、右手で別確認、

左脳で喋るは「ファー!やるで」、右脳で2013年、

すなわち、右往左往の中央突破小僧このワタシ、

やりたい事をやる為にやりたくない事もやれ、

当然と書いてポッピンと読もう、

そう、ここは猿小屋オフィス。

人目も憚らず路上で堂々キッスを繰り広げるナスビカップル、

燃えているんだね?

じゃねぇ!×291、

秩序無きウカレイカレカイワレ軍団にキメるべき技は伝家の宝刀ブレーンバスター。

どうやら随分と無愛想且つフキゲンに見られがちな昨今、

そんなんじゃねぇ!×291、

ただ、ジャリズリ、燃え過ぎているだけ。

さて、傍らには天下のどうぶつビスケット、

ウサギ、キリン、ライオン、イルカ、カバ、アヒル、パンダ、亀、

根こそぎ平らげ最後にとうとうお出ましは猿ビスケッツ、

気付けば空っぽ、今、どうぶつ達は全てお腹のど真ん中、

そうそう、ここは猿小屋オフィス。


 '12.12.2(日)

【Girasoul Watanabe Afternoon Session】

東京 / 下北沢カラードジャム

START  12:30〜

1000円(1drink付)


旧知の間柄、渡辺雅弘(girasoul)のファイティン企画に急遽参戦

時間は真っ昼間、12:30とは俺の明け方。

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September 19, 2012

フィクションズファンクション ’12


※この物語はフィクションズファンクションです.
 


先日、某7流雑誌のインタビュアーS木が突然こんな愚問を投げ掛けた、


「あの無人島はどちらのモノだとお考えで?」


タップリ8深呼吸、シッカリ13溜息を吐いた後にシャウト、


「知らんがな!戯け!地球のモンちゃう?」


国有化? 


シャラクサ指数は軒並み沸点越え、 


直ちに地球化しろ、その茶番マネートラップ島を。 


国有化? 


視野が狭いぜ×329 


日本車に乗った中国人が中国人にヤラレている、 


日本に原爆を落とせと輩が盛大に息巻いている、 


狂気指数は甚だ沸点越え、 


そしてこちとら、相も変わらずズタボロ中華料理屋愛好家、 


オーケー、 


魚がキレイ且つ大量とさぞかし評判の何ちゃら島で勝負しろ、


釣り対決でキマリだ、


好都合、名前は確か釣魚島、


忘れるな、無論、キャッチ&リリース方式を採用だ。 


ところでその島にはそんなにもお宝が眠っているのか? 


正直、どちらのモンでもオレ個人に大きな害はないだろう、


こんな戯言をヌカせば、趣味「揚げ足取り」な連中が律儀且つ盛大に絡んでくるんだろう、


「貴様、日本人か?」


「嗚呼、オレは日本人、その前に地球の住人だ」

クダラナ指数さえいよいよ沸点越え、 


それより忘れるな、そんなコトよりオレは目の前の抱え切れん事柄とクールビューティガール(CBG)に夢中だ、 


ソレはとても地球規模の与太話。 


戦争?WAR 


考えが古いぜ×550 


いつか信条に掲げたヒップ諺は「新しい酒は新しい革袋に盛れ」、 


「やだー意味分かんない!ウケる~!」、 


キミ、直ちに帰れ、すなわち一目散に、 


そして溜まりに溜まっているのであろう宿題を済ませなさい、 


地球の何処かで。 


国有化? 


回せ、そのヤケに薄汚れてしまった人指し指を最大限に駆使して地球儀を。 


よー姉ちゃん、 


ボブマーリーのドキュメンタリーフィルムでも一緒にどう? 


ジャマイカって地球儀の中に存在する国のハイカラムービーでも。


そう、本望以外の宿題なんか放っておけ、 


教科書の中の答えよりドキュメンタリーの中に答えを掴め、 


「やだー意味分かんない!超ウケる~!」、 


キミ、IQは? 


永久に問い続けろ、 


地球の何処かへ。
 


※「コラム to 日中」改訂版. 

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April 24, 2012

時給を越えて行く短編 ’12


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'12.4.22(日)
【MINNIE THE MOOCHER】
アット 下北沢Laguna


1. 破れたズボンの後ろポケットから
2. 深夜高速バスブルース
3. 自作自演屋
4. ヘイトアシュベリー
5. 草臥れたタクシードライバーの胸中に愛を
6. 思い出を繋ぎ合わせて今を生きる
7. スポットライトを照らせ




目が覚めたら左耳内側部分がヤケに湿っていた。手を当てるとさて、そこにはたっぷりと血が付いていた。

俺は思った、

「あぁ、あの若かりし頃に開けたピアスの古傷が今頃暴れ出しやがったぜ」だとか何だとか。

その僅か1.38秒後、俺は考えを根こそぎ改めた、

「あぁ、俺は生まれてこの方、左耳に穴を開けた覚えなど微塵もないぜ。ピアス?興味の欠片もないぜ」だとかどうのこうの。

かの有名なティッシュを当てると白が赤に染まった。

想像に難くない変化だ、俺はただ、そろそろ起きる時間だと思っただけだ。

この世には「謎」という言葉がある。この言葉を使うタイミングは生きていればそこそこある、

この血も例外ではないと洒落込むのだ。

ところでそんな与太の最高峰はともかく、昨晩は下北沢ラグーナ。

善くも悪くも此処には当初から馴染みが深い。

なんせ6年前、俺はこの地下のライヴハウスで働いていたし、

裏方の作業とは如何がなモノかと好奇心旺盛に全吸収を企んでいた。

顔を合わせる度にチャーミングオーナーセッド、

「こんなヤカマしいヤツは見た事がない」

俺は思った、

「あの頃とボクは何ら変わっていないのかも知れません」。

明け方まで働いて時給600円とは割りに合わんと異を唱え続け、どうにか700円まで釣り上げたがその頃には散々嫌気が差していた。

裏方の器などないって事と、何しろお金が無い事を理由に俺はその立場から退いた。

俺は思っていた、

「一体全体何故、こいつらのシャラクサイ打ち上げの為に俺が酒を作らんといけん?」だとか何ちゃらかんちゃら。

すなわち、俺はクズだった。

その後、俺は近くのバーで働いた。

時給は計算上、500円だった。

俺は思った、

「随分と遠回りをしております」だとかどうやらこうやら。

その経験に後悔などない、歴史は人を創るだろう。

ところでそんなライフ回想はともかく、昨晩は下北沢ラグーナ。

30分の短い時間に新旧の唄を詰め、高い椅子に颯爽と腰掛けて叫んだ。

終演後、手渡された茶封筒には紙切れ、

少なくとも時給600円よりは多い紙切れが入っていた。

俺は思った、最も嫌いなヤスくセコく受け取れる言葉が頭を過った、

「もっと頑張ろう」だとか何だとか。

チャーミングオーナーセッド、

「コイツは人間としては駄目だ。でもアーティストとしては・・・」、

俺は思った、ダサく平たく受け取れる言葉が頭を過った、

「もっとキメよう」だとか何だとか。


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March 10, 2012

How Are You? 短編 ’12


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突然手足が痺れ、全身から脂汗が吹き出した。

昨今の不摂生が祟ったのだ、歩く両足は震えていた。

さて、口元は「髭を隠す為」と律儀に用意されたファッキンマスクで苦しくも塞がれていた。

「郷に入れば郷に従え」、場合によっては好きな諺。 

しかし、マスクを「オカマの最高峰」と捉えて早18年強、

不摂生は俺じゃない、元凶は全てコイツだ、

そう洒落込み、俺は純白なマスクを伝統のトルネード投法を用いてゴミ箱へと投げ捨て、ヤツとは金輪際の縁を切った。

「マスクを付けたらインフルエンザになるぜ」、もはや口癖の一つだ。

今日はブコウスキーの命日だ。

冷たい雨降る寒空の下で脂汗を乾かしながら塩梅をチョロマカし、ハッタリ仕草でJPSを二本吹かし、

俺は親泣かせの逆ワンダフル野郎なのかも知れないと思ったら愛しさと切なさと何ちゃらが同時に襲ってもくる。

今日はブコウスキーの命日だ。

体重計を手に入れて以来、ソイツに飛び乗るのがもはや日課だ。

スーパーガリヒョロボーイの称号は171cm以上49kg以下の人間にのみ与えられる。

今の俺は52.4kg、地団駄を踏んで称号を取り戻す日を待ち侘びている。

時々思う事がある、「俺ってひょっとしてオカマなのかも知れない」。

真夜中にヘベレケで、床に落ちた髪の毛を一本残らず拾い、「コロコロ」という名のアナログ武器を熟れた手付きで転がす時、

そして満を持した表情で体重計に飛び乗る時なんかにハッと思う、

「俺ってひょっとしてオカマの最高峰なのかも知れない」。

今日はブコウスキーの命日だ。

そして俺はまだ生きている。


'12.4.10(火)
【レッツゲットロマン】パート13
アット 下北沢BAR?CCO
高哲典 / 石指拓朗 (THE WATTER / うずら) / etc...
OPEN 19:00 / START 20:00 / 1500 (+2order)


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January 08, 2012

逆新春に誓え ’12


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「一つ崩れて全て台無し」だなんてまったくもって良くある話だ。

ハナからヤスい立ち位置もペテンのやり口も好みじゃない。

すなわち、単なる凡人平均値に収まる俺を誰よりも許せないのは俺だ。

狙っているのは常に圧勝、八馬身差、闘い挑み続ける男、そんな想像、

一発大そう偉ぶって豪快に吐き捨てたなら、最低限エチケットと自由のバランスだけは弁えておく必要がある。

そして一つ崩れただけで全て単なる理想論、

「態度デカくて頭空っぽ」だなんてまるで笑えない代物。

キチガイの沙汰、そんな一日。

見た夢は昔確か笑い合った事のあるチェリーガールが軽快に話し掛けてくるってヤツ。

そんなチェリーガールがホザいた言葉を今まさにフラッシュバック、

「思い通りに行かないと直ぐに強行手段で・・・」どうのこうの&何ちゃらかんちゃら。

「何が大吉だ」などといくらヤサグレてみても事の発端は断じてこちとら自身、

「借りは返す」、ヌカしながらなかなか返せない憤りを抱え込んで全てぶち壊すのは悪いクセ。

優しさで溢れた奴等が律儀に声を掛けてくる、

「すいません、すいません」、

俺は奴等を素直に尊敬する、年齢なんて断固ノープロブレム事項、

頗る格好良いと思う、俺には到底出来ない芸当だ。

気を使う必要など皆無、俺はお前に怒っている訳じゃない、

ただ、自分の気狂い部分に野次を飛ばし、その不甲斐無さに閉口し嘆いているだけ。

うーあー発狂、捻くれ、3歳児のソレと同じ仕草で地団駄を踏み、我侭の限りを尽くし、

脳内にストックしてある有り余る筈の言葉の引き出しは全て閉じられ、ようやく吐いた言葉が「クソヤロー」、

こんな面白味の欠片も無い言葉を吐いたのはまるで久方振りだ。

「何もそこまで」だなんて侮るなかれ、「態度デカくて頭空っぽ」、俺は俺を許さない。

「御免なさい、出直してくるぜ」を繰り返しながら苦笑いで扉を閉めればポッピンガールと胸躍る与太話、

そんな荒れた胸中の話など無意味、ただただソレとは関係の無い笑える話を探り出す。

心底本気で笑う為には越えるべき山が多過ぎる、こんな事を繰り返しながらいつか必ず死に至るんだろう、

諦めろ、そして悟れ、新春なんて今や遠い過去の戯言だと。

非を棚に上げて大言壮語を繰り返す程、俺は残念ながら頭イカレてもいない、

こんな一日はまるでウンザリ、オマケにゲンナリ、繰り返すなんてキチガイの沙汰。

ファッキンブルース、今は邪魔者を海に流して静かな場所で語りたい、

そして語れる相手はいつだってお前であれば良い、

「俺の事か?」、「ワタシの事?」、全て正解、

有難うは忘れない。 


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November 20, 2011

焦燥のファッキントレインブルース ’11


'11.11.19(土)


久方振りに乗った電車内に突然乗り込んでくる生粋の気狂い。

ヤツは麻原彰晃について乗客に話し掛け、訳の分からん事を喚き、叫び、

服はズタボロで髪はバサボサ、まるでセンスの欠片もない。


頃合いを見て話し掛ける、「おい、人の邪魔と迷惑はするな」、


そしてナイフを出してこないかに細心の注意を払う。

車内に唾を吐きながらヤツは吠えた、「うるせー、おらー」、


ヤツを
ホームに引き摺り出しながら唄う以外で久方振りに人前で吠える、「来い、ド
阿呆」。

傍観者を気取る被害者と乗客、俺は大きく叫んだ、

「すい
ませーん」と呑気と本気を兼ね合わせたポッピン声にて7、8回。

傍観者を気取り続ける被害者と乗客と目を逸らす警備員、

濡れた傘でヤツを小突き、誰も助けに来ないまま俺は下北沢で降り、最後にもう一度だけスローガンを唱えてやる、

「おい、人の邪魔と迷惑はするなよ」。

この世は完全に腐っていて、もはや目も当てられない程にイカレている。

誰も助けない、いつナイフで誰が刺されるかも分からんのにだ。

誰かがケガをしてようやく初めて、ヤツ等は驚異の被害者面を晒すんだろう、手遅れだ、まるで茶番天国、

そして味方の筈だった俺までが気狂い扱い、いよいよタマラナイ胸中。

「俺は少なくとも自らの身は自らで守りたい」などと眉間の皺を一層深くしながら、


「そんなガリヒョロじゃイチャモンだけつけてやられち
まうよ」といつか俺を罵った男の顔を思い出す。

一つだけ確かな事はこの気狂いは極度の寂しがり屋で、俺は単なる映画の観過ぎだって事だ、まるでクダラナイ。

モダンガールが一人、俺を軽快に追い掛けてくる気がしたがそれはやっぱり「気のせい」で、

雨に濡れて靴下までタップリと水が染み込んだ俺のブーツは穴が開きズタボロ、信じ難い程に何も変わらない。

オカゲで一編、一曲稼ぎ、絶対にいつか報われてやるぜと懲りもせず明日に賭ける夜。


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July 23, 2011

「心の友達」番外編 ’11


レッツゲットロマン スペシャル ゲスト有


'11.8.4(木) 
【高哲典 配信記念ライヴタイム~レッツゲットロマン スペシャル!】 
出演:高哲典 
オープニングアクト:今村竜也とウエタケユキオ / 安部裕二 

※ゲスト 
武藤昭平(ソロ) 

※サポートミュージシャン 
藤井一彦(THE GROOVERS) 
黒川修(バンバンバザール) 
武藤昭平(勝手にしやがれ) 

OPEN : 18:30 / START : 19:00 
CHARGE : 前売り 2000 / 当日 2300(+1drink 500) 

会場 : 下北沢440(four forty) 
地図参照 : 
http://www.club251.co.jp/440/ 
CCO TEL.03-3422-9440(16:00~) 

チケット発売 
プレイガイド : 7/18(月)よりローソンチケット(Lコード/76665)、イープラスにて発売 
440店頭 : 発売中(16:00~) 



「貴様、いつからそんな宣伝好きになった?」などと侮るなかれ、

何度でも云うが今実際に起きている現象は果てしなくエゲツナイ事だ。

休みを入れ替えて来てくれるヤツ、帰省日を変更して来てくれるヤツ、

宣伝を買って出てくれるヤツ、愛すべき二つ返事をくれるヤツ、

「勝ってくれ」とメッセージをくれるヤツ、背中を後押ししてくれるヤツ、

「8.4を捧げます」とヌカしてくれるヤツ、拝んでくれるヤツ、

「ローソンチケットで買うぜ」ってヤツ、「イープラスで買おう」ってヤツ、

エトセトラ×89、

ヤサグレ男8、ポッピン女2の割合い、

ガラにも無く取り敢えず両手を合わせてありがとう、力をくれてありがとう。

狂乱のあまり「ボクも今の内にチケット押さえるぜ」などと粋がりながら12枚発券しそうになるが間一髪で止める、

こちとらどうやら「8.4の四番打者」だからだ。

友達もほとんど居ない頃、愛すべきモダンガールが呟いた、

「アンタにはいつか本当の友達が出来るわ」

記憶に残る言葉を残してくれたモダンガールを、当時IQ2.9だった俺はいとも容易く裏切ってしまったが、

周りにはいつからかモノホンの友達が集まっていた。

お偉方から見れば全くもって大した事じゃなくてもこちとらに取っては偉大なる大博打、

大言壮語だけ吐き散らしながら大してウダツが上がる事もなくここまで来た俺が曲がりなりにも掴んだ最大のロマンだ、

そして始まるのは全てここから、旅は続く、

「8.4を俺にくれ」、

四番打者が三振連発なんて読まない坂口安吾と同義だ、すなわち、俺は御免だ。


P.S

何年も前から読んでいた感ある武藤昭平氏の「酔いどれオーナーのつぶやき」に俺の名前が書いてある、

何度でも云うがこれはエゲツナイ事だ、精神不安定になり号泣してしまいそうな程だ、

8.4、ドラムセット飛び乗り全てを解放してみたい、 

感じた事の無い感情を使い果たして俺は死にたい。



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June 30, 2011

「心の友達」 Vol.9


'11.6.29(水)
アット 高円寺楽や
高哲典/今村竜也とウエタケユキオ/小野雄介/KEYNA


1. パレード
2. 輝いて見えるのはこれから(新曲)
3. ヘイトアシュベリー
4. ニューヨーク・サブウェイ・ブルー
5. 思い出を繋ぎ合わせて今を生きる
6. ラウンドミッドナイト
7. ロマンのど真ん中


ヤケに力が入り過ぎていたのは「聴く精神」を持ち合わせているって雰囲気漂う人間達の視線のせいかも知れないし、

俺の前に演らかしたKEYNAと小野雄介のイカすやり口のせいかも知れない。

こちとら手が攣り、ギターを弾く事さえ半ば諦めかけながら一人ごちる、

「俺ってひょっとして相当なオカマなのかも知れない」。

その後、辛うじて右手を取り戻し、汗と唾は盛大に飛び散り消費カロリーは1980の大台をマーク、

すなわち、ライヴ感且つグルーヴ感は断固キープオン、

そして気付く、俺に必要なのはポマードじゃない、右手の力を八倍上げる事に他ならない。

終えた直後、スナック感覚で俺の名前を呼ぶ輩の声が聞こえた、

振り向けば其処に居たのは3年振りに何の前触れも無く現れた男がバーカウンターに座っていた。

勝手に調べ、勝手に仕事を抜け出し、一万円をポッケに詰め込み、何の前触れも無くやって来た、

「貴様一体こんなところで何しとる?」

口は悪いが俺はそれを奇跡だと思った、とんだドッキリ野郎のお出ましに視力0.6まで落ちた感ある我が目を疑った。

ヤツは以前、俺が今も続けているファッキンジョブのヒップ仲間、

当時は今より12倍酷く醜く、客を怒鳴りつけ、ヘッドフォンを投げつけ、コンピュータを殴り、人殺しかジャンキーかの如く目をしながらブレる事無く闘っていた。

「平たく云えば問題児」などと俺達は半ば呆れられかけていたが俺は頑なに信じていた、

「問題児は俺とヤツ以外全員だ」。

ヤツはゴミ箱を投げ散らかして仕事を辞め、あろう事か「存在するだけで迷惑」な俺だけ残った、

心の友達が消えた気がした、そして俺はその後も「要注意人物」なる称号を与えられ、「怖過ぎて近付けない」などと罵られながらブレる事無く闘い続けた。

そんな連絡先も知らんままに別れた男と突然再会し、当然の様にアイリッシュウイスキーで祝杯を上げながら思った、

「生を燃やし続ければ嫌でも人の記憶に残る」。

俺の愛車で最初に二人乗りをキメるのはさぞかしチャーミングなモダンガールだと思っていた、

ところが実際、愛車の荷台に初めて跨がったのは坊主頭を貫く想定外も甚だしいヤツだ、理想と現実との落差に閉口しながら思った、

「果てしなくイカす」。

高円寺から運転を交互しながら一目散に下北沢を目指した、

信じ難い程にペロンベロンになっていた俺達はその瞬間、紛れも無い問題児だった。

ヤツは今、思い描いていた職に就き、俺は遂に公の場でこれから始まるレコーディングの話をした、

3年後にまた突然会えたら今より更に喜び合えるかも知れない、

生を燃やし続けている限りは。


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June 19, 2011

リチャードソンズ・ブギ ’11


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モダンソファに腰掛け常に考えてるのは
想像力を駆使していかに遊べるかって事
本当は簡単な事なのに何もかもがややこしくなる

説明書は博識人気取りの手っ取り早い自慢話
専門用語は低俗趣味の人間に捧げる与太話
本当は簡単な事なのに何もかもが難しくなる

暗い話は止めてくれよ、キリが無いから
俺はただ酔っていたいだけなのに
モダンソファにヒップスター、
ウィットに富んだ会話で楽しんでみないかい?

魂の解放区、俺の部屋で乾杯を
魂の解放区、俺の部屋で祝杯を

目立ちたがり屋の臆病者が
嫌われ者と厄介者の荒波を泳がされながら・・・
本当は当然の事なのに何もかもが煩わしく見える

モダンソファに腰掛け常に考えてるのは
想像力を駆使していかに笑えるかって事
簡単な事を簡単なままに片付けたい

軽い話は止めてくれよ、時間が無いから
俺は漂っていたいだけなのに
モダンソファにモダンガール、
神経衰弱という名のトランプ遊びでもしないかい?

魂の解放区、俺の部屋で乾杯を
俺の部屋に遊びに来ないかい、夜が明けるまで
魂の解放区、俺の部屋で祝杯を
俺の部屋に遊びに来ないかい、笑いが止まらない

哲学書は読まない、それが俺の哲学
哲学書は要らない、それが俺の哲学

--------モダンソファに腰掛けて(2009)--------



空想のロマン、想像の発展、大言壮語の先駆け、リチャードソンの夜。

モダンソファに腰掛けた笹塚のロックスター、今村竜也氏、

俺は裸同然の出で立ちで注文を出す、

「よー、もう一杯リチャードソン水割り」

ヤツの掻き混ぜる水割りは想像を遥かに凌ぐ口溶け具合、

すなわち、元モグリバーテンダーのこちとらが毎夜作るソレよりも軽く八倍はイカす。

何杯煽ったか気付けば4時、起きれば11時、

イカサマポマードを塗りたくる隙も無く傘を差して向かうステーション、

自慢のオールドバイクはこのファッキン天候のオカゲで未だ出番が無い始末、

リチャードソンの残り香を口に含みながら一人ごちる、

「俺の名前はリチャードソン」

二日酔いって一体どういう意味だ?

センスの欠片も無いオカマが作り上げたショウモナイ言い訳の類いか。

部屋を飛び出せば11時間は戻らない、

沁み込んだしかめっ面で今日は一体幾ら稼いだ?

そこそこにイカす、

そのお金で何を買う?

せーので答えよう、「リチャードソン!!」。

そのお金をポッケに詰め込み向かうのは田野畑村、甲子園、エトセトラ×22、

スナック感覚は専売特許、問答無用の強硬突破。

そして名古屋のナイス「外」、田中外氏から吉報、

空想のロマン、想像の発展、

いつか疲労困憊しながらジャリズリ唄った思い出溢れるあの場所で俺は懲りもせずにまた唄うだろう、

歓喜のあまり真っ裸になってブギさえ踊ってしまいそうだ、

そう、リチャードソンと共に。


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June 02, 2011

ジューン・ファッキン・フィーリング ’11


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ウダツの上がらん気分屋吹出物野郎このワタシ、

ヤケにゴキゲン斜めで焦点定まらず、

真っ直ぐ歩く事さえ確かでないのはチラツく前髪のせいかも知れないし、

このノー太陽なヤサグレ天気のせいかも知れないし、

連日連夜に及ぶケンタッキー産ハイカラバーボン「CABIN STILL」深酒のせいかも知れないし、

いくら粋がってみたとて説得力の欠ける鼻頭吹出物のせいかも知れない。

〜のせい、〜のせい、それ全部引っ括めて貴様のせいだぜ、

悲劇の酔いどれを気取るのは止めろ、とても恥ずかしい事柄。

考えている事はただ一つ、専門用語など終始且つ金輪際クダラナイという事、

そんなヒケラカシ与太名言集よりウィット且つヒップ極まるマイノリティ言葉の一つでも放り込んでくれという事。

ロックンロールブギを大音量で聴きながらファッキントレイン飛び乗れば、

ツイストをキメるスペースなどある筈もなく自ずとチャーミングガールの肩を抱き、この空間は一体何だと捻くれる。

東京名物ファッキントレインはもう充分、オールドスタイルバイクはいつになれば届けられる、

丁度ロックの日に届けばゴキゲンはヤケにストレートになるだろう。

青と白の制服に身を包んだコンビニエンス店員に告げる、

「アメリカンドックを一つ」

ヤツは言葉を聞き取れず申し訳無さそうに聞き返した、

「ハイ?」

俺は答えた、

「アメリカンドック」

ヤツは困った表情を曝して再度尋ねてきやがる、

「エッ?」

ここでようやく目が覚め、俺は目を見開いてヤツの顔面に向け吠えた、

「ドック、アメリカンのだ」

ヤツは青と白の制服で文字通り顔面まで蒼白にさせながらごちる、

「申し訳ありません」

悪いのはどうやら滑舌の悪いこちとらサイドだ、すなわち、気分屋吹出物野郎に非はある、

俺は呟いた、

「こちらこそ申し訳ありません」

但し心の中で。

ポマードを丸8日間付けてない、明日はイカサマリーゼントで気分転換ってのはどうだ、

そしたら何かが巧みに弾けるのかも知れない。

旅に出たい、当分出てない感さえ漂う昨今、

そしたらゴキゲンはヤケにストレートになるだろう。

もはや旅先で滑舌良く爽やかにほざくのが新たなる夢だ、

「どうかボクにアメリカンドックを下さい」。 


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April 24, 2011

戯言に愛を ’11


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ポンコツでも磨けば味わい深く輝く、

オンボロでも使えるなら最高の味方、

そして俺はどうやら腐りかけているかも知らんが、腐り過ぎてしまわん様に細心の注意を払い続けるしかないあん畜生。

眼鏡をかけた中学生のクソガキがすれ違い様に笑いながら相棒に喋り立てている、

「世界は広いからね!!」

「君、イカすね」×860、そんな訳で本日の主役は若干13歳の小坊主。

アルコールが無いと眠れないなんてまったくもってダサイぜ、

そんな事を思いながら手に入れたばかりのサントリー角瓶に手を伸ばすあん畜生、

度数は40、オーケー、オールオーケー、断固負けない。

明け方5時、テレビ映画の挿入歌として流れてきた流行廃りって類いのジャパニーズ・ヒップホップがヤケに沁みる、

「どうなってんだ」×6741、

俺はどうやら腐りかけているかも知らんが、腐り過ぎてしまわん様に細心の注意を払い続けるシガナイあん畜生。

血液型の枠に収まるなんて果てしなくちっぽけな話は止めろ、

俺が重んじているのは最低限のモラルと教養の事だ、それ以外は全てクダラナイ、

そんな事を思いながら小坊主の声が盛大に響いてくる、「世界は広いからね!!」。


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April 20, 2011

ルームナンバー210 ’11


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気付けば日替わりで人間らしい人間がやって来る、

生ゴミと煙草と何やらの香りが沁み込んだファッキンチャーミングな部屋のナンバーは210。

ヤツはモダンソファに腰掛けて、俺は万年ベッドに横たわり、

ヤツはレコードを裏返し、俺は目についたレコードを取っ替え引っ替え、

ヤツは珈琲、俺も珈琲、アルコールなど無くても酔っぱらい、

ヤツと久方振りに再会し、俺は心配事を365日中998日抱え込んでいる間抜け者、

自分が蒔いた種を自分で掻き集めてるってだけのクダラナイ大茶番喜劇役者に過ぎない。

一言聞けば全て答えが出るんだろう、

一言ヌカせば全てがきっと崩れ落ちるんだろう、

だから何も聞きたくない、そしてヤツは硝子細工心の修理業者代表格。

「もっとお前と一緒に居たい」と盛大にヌカしてみようか、臆病風は置いといて。

「君は俺の恋人か?」、問おうとしたが間一髪で絶対に止めた、
 
「ヤツ」がハイカラなお姉ちゃんではなくバイク直したてのディープジェントルメンだったからだ。

まったくもってイカす、俺の人生、そこまで間違いだらけでもない筈、 

一人ぼっちだなんてほざけば罰が当たる事くらい、いくら大茶番喜劇役者でも知っとけって話に過ぎない。 


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April 19, 2011

俺とヤツと生活のブルース ’11


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駅構内をふらつき歩きながら右腰に付けられた幾多の鍵がジャラジャラと鳴っている。

ロードバイクの鍵はもはや役立たず、

それでもふらつき歩きながらヘイトアシュベリーのキーホルダーが揺れる時、

俺はあの街を一人で歩いたんだと自負すれば心底胸中穏やかになる瞬間がある。

立ち呑み屋にてビールとテキサス串、黄金の組み合わせでヤツと一杯煽り、 

マシンガンの如く罵り合いで夜は耽る。 

一杯二杯なんてセコい話は止めにして気付けば下北沢、10年前には外国だと思っていた街、

ヤツとそぞろ歩き行き着けのライヴバーにてマシンガンの如く罵り合い、

大量の食材とビールを買い込んで愛しのスゥイートホームに辿り着く。

ヤツはシャワーを浴び、俺は明け方4時の納豆巻きに貪りつきながらビールを煽り、

そして寂しくてどうしようもないといった面持ちでマシンガンの如く罵り合う。

万年ベッドに寝転がりぐらつきながら俺はヤツの夢でも見て、

ヤツは朝の10時にキッパリと起き上がり仕事に出向く為にまたシャワーを浴び、

俺は歯ブラシ立てにヤツの歯ブラシが至って自然に立て掛けてある様はさぞかし圧巻だと感じる。

二日酔いなんて金輪際どうでも良く、水の代わりに残っていたビールを一口啜り、

シャワーを浴びたヤツと昨夜の思い出について語り合いながら、

起き抜け一番の珈琲を天下のイノダマグカップに淹れる時、

ヤツは「このホテル、サービス良いね」などと小粋且つ気の利いた発言を繰り返す。

エチケットマナーに則り「着替えが必要なんだ」とヌカすヤツと衣料品店に出向き、

そしてヤツは酒臭い吐息を蒔き散らしながらファッキントレイン乗り込み苛立ちのファッキンジョブへと向かい、

俺は切れていたティッシュペーパーとトイレットペーパーを買い込み麗しのスゥイートホームに舞い戻る。

エゲツナイ程にイカす夜と朝だ、生活と活力はこうやって繰り返される、

いくら各々の問題が山積みだったとしてもだ。

「もっとお前と一緒に居たい」と盛大にヌカしてみようか、臆病風は置いといて。

「君は俺の恋人か?」、問おうとしたが間一髪で絶対に止めた、

「ヤツ」がヒップなお姉ちゃんではなく小汚い髭面のファッキンナイスガイだったからだ。

まったくもってイカす、俺の人生、そこまで間違いだらけでもない筈、

せめて俺との事は忘れるな、死ぬ間際にそこそこニヒルに笑えるかも知れないからだ。


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February 09, 2011

ポリシーでロマンを語れ ’11


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女「何で階段を使うの?」

男「俺は階段愛好家だ」

男は待つ事、じっとしている事、ドンクサイ事に我慢がならない性質で、

そして人嫌いだった。

階段では立ち止まる必要も無く、一人にもなれる、

必要なのは歩き続ける事だと男は踊り場で考えていた。

女「運動のつもり?」

男「そんな感じね」

女は理解に苦しみ、

男は誤摩化し、

それと同時に、

どんなに大事な女が他の男に抱かれてもハナで笑える程の器になるんだと決めていた。


'11.3.2(水)
高哲典企画
【レッツ・ゲット・ロマン】 パート5
アット 下北沢BAR?CCO
さよなら食堂/今村竜也/高哲典
19時開場/20時開演/1000円(+2order) 


ロマンを掴もうと企む既婚者二人と一匹の猿、

波に乗る男の三つ巴で敵無しの夜。


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December 13, 2010

孤独という名の歓喜を抱き締めて逃げろ ’10


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何も怖くなく、何も寂しくなく、踏み出した自分の足にただ酔いしれていた
知らない街は知らなかった事をいつだってほんの少し痛く教えてくれたけど
そんな事よりそこに立ってる自分と踏み出した自分の足にただ酔いしれていた

吟遊詩人


誰に祝われる権利もなく、盛大な誕生日パーティだとか結婚披露宴なんて類いは断固ガラでもない。

優しくされたら寂しくなるばかりでも自らの権利とポリシーだけは永遠に主張し続けろ、

生きている限りは。

そして俺が俺を、お母ちゃんを盛大に祝うのはまったくもって迷惑の欠片もない程の自由だ。

19歳の誕生日、「9万円のギターを手に入れる」と豪語した俺にお母ちゃんが罵った、

「お前は阿呆か?そのお金をワタシに渡しなさい」

22歳になる誕生日、その真っ赤なエレキギターを弾きながら0時を迎えた俺の背中にはシワクチャの紙切れが貼り付けられ、

そこには愛しの女の子が殴り書きした文字が躍っていた、

「男22歳、ギター掻き毟り中!」

20歳の誕生日に照準を合わせ、遠回りを繰り返しながら早朝から晩まで働き続け120万円を手に入れ、

散々と「ケチの代表格」という名のレッテルを貼られ、俺は平凡な連中を八倍ハナで笑う事だけは忘れず、

大袈裟に不貞腐れながら突き動かされる衝動にだけは逆らわず、毎晩ギターとノートブックを抱えて座ったまま眠っていた。

そして20歳になったばかりの真夜中、俺は東京行き寝台特急列車に飛び乗り大そうに泣き崩れながら夢を見ていた。

これからとんでもない事が始まるんじゃないかと、いつも一人で胸を躍らせていた。

あれから丸10年、大物なのか小物なのか論外なのか単なる端くれ者なのかなんてどうだって良い、

胸を躍らせる方法をいつだって思案し、そして辿り着き30歳を迎えた今、

誰に祝われる権利もなく、何も出来ずやろうともしない輩共に罵られる筋合いもなく、

12月13日という日を丸々48時間眠らずに過ごしてやろうと企んでいる。

全ては完璧に仕立て上げられた逆トナカイ男のドキュメンタリーフィルム、

無事に成田空港何ちゃらターミナルエリアまで辿り着き、税関通関何ちゃら関を見事突破し、

そして生きてさえすれば俺は飛行機の中で、マンハッタンのど真ん中で感極まって泣き崩れてしまうかも知れないし、

生きている喜びをエゲツナイ程に味わい尽くし胸ごと口から吐き出してしまうかも知れない。

時差は-14時間、このハイカラシステムを最大限に活用し、今現在の時間をもう一度巻き戻し、

映画やら本やら音楽やら何やらで観過ぎる程に観てきた生粋のニューヨークを目の当たり、

すなわち、12月13日という火は今も昔もどうしようもない程に燃え続けている有り様。

仕返しってのは暴力じゃない、ふてぶてしく行動と大言壮語を吐き続ける事に他ならない。

今日まで「アンタみたいな人間と友達になれて良かった」などと何人もの人間が俺みたいなモンに声を掛けてくれた、

いつも照れながら答えた、「こちらこそありがとう」。

最低気温は-6℃、生憎の雨やら雪やらを蹴散らし、ガタボロトランクには柄シャツとタンクトップとメモ帳、

この類い稀なる武者震いはきっと誰にも伝わらない、所詮俺個人の感情に過ぎない。

旅から戻れば御多分に漏れずとんでもない寂しさが襲い出しやがるに違いない、

バットしかし、次から次へと奮い立たせる旅の準備はいつだって出来ている、

権利とポリシーと哲学をエゲツナイ程に持ち合わせて生きている限りは。



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December 08, 2010

ジョンと放浪のバラード ’10


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大半の人が悲しいほど受け身です
両親、先生、大統領の言う事を全て受け入れる姿勢が一番不健全です

ジョーン・バエズ


操られる事と縛られる事をエゲツナイ程に毛嫌いし、操られたり縛られたりする前に自らを守り抜き、

名前だけのリーダーと猿真似八番煎じ野郎をハナで笑い続ける。

指図される前に行動を起こせば一目で分かる偽者の意見など問答無用、秩序と面目を保てている限りは。

その程度の浅はかな知恵さえ持たないそこかしこに蔓延る筋違いドンクサ星人がさも被害者面をぶらさげて、

「馬鹿にしないでよ」などと一丁前にほざいている様はまったくもって滑稽過ぎて見るに堪えない。

古着屋では懲りもせず声を掛けられる、

「これ試着良いですか?」

こちとら執念のハッタリオーナー顔で0.98秒のワールドタイムで即座にアンサー、

「あー、どうぞ!」

律儀に試着室まで指差す俺はそこそこ底知れぬお人好し代表格、

もはや本気で古着屋を経営したい心意気×0.37。

俺はただ16歳の時に手に入れたヒップシャツを、

20歳の時に手に入れたレザージャケットをボロボロに破れたとて生涯大事に着続けたいと願っているだけのあん畜生、

そのハイカラ貧乏性魂に並々ならぬ誇りを持ち、

それさえ弁えた上で俺みたいなモンに「お洒落」などと歯の浮く様な言葉を掛けてくれるのなら答えは◎だ、

札束にモノ言わすやり方と媚びへつらうやり方なんて生涯ノープロブレム事項。

「煙草は止めない」と「煙草と縁を切る」、

どちらも美学だ、残念ながら俺は何とも競わない。

「いつもピカピカの靴」と「擦り切れたオンボロブーツ」、

「コマのついた洒落こましトランク」と「色さえ剥げた昭和のガタボロトランク」、

どちらが良いかなんてどちらでも良い、

俺はたまたま後者にしか魅力を感じてないってだけの個人的な話だ。

取っ手が壊れたら抱き抱えてやれば事足りる、コマも快眠グッズもそんなオカマみたいなモンは要らない、

珈琲とさぞかし大事な二本の手がある限りは。

「自由の女神」と「場末のバー」、

「エンパイアステート何ちゃら」と「CBGB跡地」、

「何ちゃらヴィトン本店」と「ヴィレッジ・ヴァンガード」、

どちらが良いかなんてどちらでも良い、訳の分からん言い争いなど聞くに堪えない、

俺はたまたま後者にしか魅力を感じてないってだけの個人的な話だ。

ジョンレノンが「単なる目立ちたがり屋」に撃たれて丸30年、

そして「1980年12月13日、ジョンレノンが撃たれた5日後に俺は生まれたらしい」。

一度死んだ筈の俺が5日後に見事30歳の大台を迎えるなんて君以上に俺こそが思っても願ってもみなかった事実、

そして万事予定通りに事が運べば5日後にはニューヨーク・ダコタハウスで、

セントラルパーク・ストロベリーフィールズで確かに佇む俺が両手を合わせているって寸法。

全ては完全に仕立てられた煙たくシガナイ男のドキュメンタリーフィルム、

話の通じる人間がいくら少なくとも建前だけのファッキンリーダーに操られるなんて真っ平御免の真骨頂。

そして狂乱のマンハッタンを練り歩く事よりも成田空港何ちゃらターミナルエリアまで無事に辿り着けるか否か、

こちらを何より不安に思っている俺は近年稀にみるスッテンコロリン野郎の代表格、

税関通関何ちゃら関では相も変わらず面目だけのファットリーダーと100%中138%の高確率で悶着を繰り広げる事になるだろう、

「ノードラッグ・イエスモラル」

そしてニューヨークなる未知の領域にポンコツブーツをつける前にもしも俺が死んだら、

アンタの記憶の中には「エゲツナイ程の大茶番役者」として勝手にのさばり生き続けてやる心意気、

「死んだ女よりもっと哀れなのは忘れられた女です」

高田渡もルールイスもウディアレンも勝新太郎も何も変わらない、

「果てしなくイカす」という精神においては。

全ては緻密且つ綿密且つ秘密に仕向けられた逆トナカイ男の物語、

俺は自由の国よりジャスト1085倍自由な個人だ、

寂れた類いの愛すべきライヴバーで完全な日本語を駆使して捲くし立てる様に唄ってやろう、

「無秩序と自由は結びつかない」

奴等はきっとヌカすだろう、

「ユー、ホヮット??」

そこでこちとら、0.28秒のワールドタイムで即座にアンサー、

「フロム成田空港何ちゃらターミナルエリア!!!」

「ニューヨークへ行く」とほざけば必ず聞かれる、

「観光??」

「観光」、あまりに平たく薄っぺらくもどかしい言葉だ。

「ブログ」などという響きと同じ低レベルのあまりに平たく薄っぺらくやるせない言葉だ。

ブレイクスルー掲げる憧れのチェルシーホテル住人このワタシ、

これは自らに課した手始めの修業に他ならない、

ウイスキーとさぞかし大事な二本の足が動き続ける限りは。



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November 11, 2010

ザ・ドアーズ ’10


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「なぁ兄貴、声が出ん。よって、まるで仕事にならんぜ」

開始から僅か15分、俺は遂に仕事を諦めた。

いくらハッタリを駆使して奮い立たせてみてもとても追いつかない事がある、日常茶飯事で。

俺の仕事が喋る事、伝え続ける事、それでお金を稼いでいるんだとしたら、

「喋れん」なんて「倒してもらえんボーリング場のボーリングピン」とまったくもって同義、すなわち用無しだ。

強制早退、何ちゃらストップ、仕事場を這い出してまずはJPSを一箱手に入れる、

すなわち、肝心なのはハッタリを駆使して平常を気取り続ける事なんだと洒落込む。

あまりにも晴れ渡る午前の渋谷をふらつきながら、このまま帰って「寝込む」なんてキチガイにも似た行動に違いない、

向かうべきは美術館、喋る必要もなく唯一落ち着ける場所だと決め込む。

そんな中、坂道を歩いていたら懐かしのイカす映画館を発見、

「ドアーズ/まぼろしの世界」 11:15~

決まりだ、喋る必要もなく唯一落ち着ける場所とはどうやら「館」の字が付く場所なんだと洒落込む。

財布にお金はなく、銀行残高は1639、

そいつで辛うじてチケットを引換え、さぞかし大事そうに握り締めて特等席に沈み込む。

最高だ、美しい純粋心、はみ出し者、厄介者、臆病者、喜怒哀楽の探求者、愛して止まない。

以前、「素行の悪さは天下一品」などとヌカした友達にも似た上役の顔を思い出す、

トンだでっち上げだ、俺はハートビートに忠実に、単純明快に生きたいと願うだけの最後のあん畜生、

バットしかし、それが数え切れん人間達に迷惑を掛けているという事も存分にありうる話だ、

俺ってひょっとしてデリカシーの欠片もない単なる自己中心人物のファッキン代表格なのかも知れない、

すなわち、衝動と言動が抑え切れない有り様、そして何が何だかまるで分からない始末。

14:12、イカサマペテン師の如きモヒカン野郎からジリブルと電話が鳴る、

「ランチタイムのお時間です」

「なぁ、俺は喋れんのだ、仕事はとっくに抜け出した」

そして飽きもせずトランク屋忍び込み、ヤツにガリジャリ声(GJG)にて話しかける、

「もうちょい待っとけ、一緒にニューヨークへ行こうぜ」

いつか大阪の街で愛すべき男に問いかけた、

「なぁ、俺の声は今一体どうなってる?」

「かなりキテるね」

そして訳の分からん輩が中傷した、「語ってばかりのシャガレ何ちゃら」、

あの時にも似たガリジャリ声(GJG)にて日々を航海、

様々な出来事を思い出す昨今の胸中事情。


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October 30, 2010

とある10月の10日間の夢 ’10


以前、「アンタは一人が似合うわ」などと罵った女がいた。

いつか、「人を好きになるのはもう止めよう」などと思っていた。

ジャスト10日間の夢、

現実は小説よりも奇なりの踏襲者、

ドキュメンタリーフィルムの中の大茶番喜劇役者、

俺が幸せを感じる時、誰かはきっと不幸せ、

バッドエンド且つハッピーエンド、

アッケラカンと全ては何もなかったかの様に消える。

経験と高揚と哀愁と罪悪と後悔と感動と感謝と何やらかんやら、

激しく叩き続けられるドアを開け、寝ぼけ眼で答えた、「ありがとう」。

以前、「アンタ、感動屋さんやね」などと笑った女がいた。

俺は確かに感動した、

ジャスト10日間の夢、

現実は小説よりも奇なりの踏襲加減、

ドキュメンタリーフィルムの中の大茶番喜劇具合に。

相も変わらず絶望と希望のエレベーター
乗り込んで快楽と試練を行ったり来たり

どっかの臆病者がガラついたジャリズリ声で叫んでいたね。

俺ってひょっとして、現代におけるノータリン兼パープリン星人のファッキン先駆けなのかも知れない。

以前、「年がら年中女の事で頭抱えているイメージ」などとほざいた女がいた。

とても寂しく、何とも格好のつかない胸中と万年布団を抱いて、

侘しい気持ちを照らす様に電気を点けたまま眠りについた。

「滑稽」という文字を辞書で引け、

歯並びの悪い俺の引き攣りジャリズリ顔が出てきやがるに違いない。

何にも縛られたくないなら一人でいる事だ、

彼氏彼女だとか惚れた腫れただとか恋だとか愛だとか嫉妬だとか何だとか、そんな安い話は実にクダラナイ、

ところが、無頼派を気取りながら所詮何かに頼らざるをえない我儘極まる胸中事情。

何ともやり切れずバンディーニまで無意識の内に連絡を入れる、

なぁ兄貴、頼ってばかりで悪いんだけれど俺を輝かせる力を貸してくれ
胸が張り裂けそうで堪らないから、凭れながらロマンのど真ん中

どっかの厄介者の詩でも乱用して。

以前、「アンタと付き合う事はとんでもなくステータスよ」などとヌカした女がいた。

「焦燥」という文字を辞書で引け、

トロけた目をした俺の残念なイカサマ顔が出てきやがるに違いない。

形あるものを全て削除したとしても確実に消せないものがある、

ジャスト10日間の夢、

現実は小説よりも奇なりの踏襲者、

「また人を本気で好きになりかけていた」という胸躍る代え難い事実だ。

まだ見た事のない風景を全部焼き付けて俺は死ぬ
感じた事のない感情を使い果たして俺は死ぬ

どっかの寂しがりがガラついたポッピン声で叫んでいたね。

次から次へと物語が絶えない、

俺がいつか死んで、もしも墓石などが用意されたりするのなら、

一行刻んでやってほしい、「人生とは茶番劇である」と。

新たなる素晴らしい経験に愛と感動と感謝を、

スタイリッシュは永遠に板につかない始末。


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October 12, 2010

101012 special


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目覚めれば抹茶オレを流し飲み、タンクトップとハンカチを干し、「NEVER END」を浴びる様に聴き返し、

それから山程の請求書を抱えて旅に出た。

「アイム・ビジー」、どいつもこいつもうそぶくだろう、

所詮俺もその中の一人に過ぎない。

給与支払い方法変更に伴う長い長い無給トンネルをボーリングピン貯金箱を突いて華麗に潜り抜け、

ニューヨーク行き航空券、家賃、電気代、電話代を根こそぎ払い込み、

大量のアイスコーヒー、一ガロンウイスキー、馬油シャンプー&リンス、ついでに1890円のハイカラ柄シャツまで買い込む。

ヘルメット野郎もクールなやり口を得意とする大家様も今は俺の扉をノック出来ない、少なくとも暫らくの間は。

ファッキンなのはインチキ戯けな電話代、

「携帯電話など解約して固定電話にしてやるぜ!」という淡い夢、

これは「湘南に引っ越すぜ!」と同じレベルの微かな夢、

実行に移す可能性は2%に満たないかも知れないが残念ながらこちとら夢遊病者の最先端、

何一つ諦める理由など見当たらないぜと洒落込む。

そんなこんなで一瞬にして18万円近くの大金が吹っ飛んでいったが貯金箱のお金を見る度に思う、

「こんなモノは単なる紙切れに過ぎない」。

俺は仕事を持っている、さすらいのハッタリ根性でとりあえずの紙切れを手に入れ、

あれやこれやと引き換える権利をどうやら持っている。

組織に丸め込まれる事をとことん毛嫌いしながら、その代わりとして紙切れをしっかりと頂戴している、

俺ってひょっとしてそこそこのデジタルテクニカル星人なのかも知れない。

一つ問題を片付けても追い込みは留まる事を知らず、どうせまた月末頃にはヌカす事になるだろう、

「相棒、どっか遠くまで逃げようぜ」

一つだけ確かな事がある、93890円の高額を耳を揃えて遂に航空券と引き換えた、

すなわち、ニューヨークはグリニッチヴィレッジまで颯爽極まる面持ちで逃亡可能な態勢。

2038個の夢を掲げて旅は続く。



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October 09, 2010

Two Human Standing ’10


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異国人の如き風貌とハッタリイカサマセンスを駆使して雨のハイカラみなとみらいタウンを徘徊。

護送車が数十台駐車された厳戒態勢の街を眺めながらマリアンヌがチャーミングに呟く、

「ほらアンタ、迎えが来てるよ、怖過ぎるから」

「おー、自首してくるぜ」

あまりに自然な付き合いで雨を弾きながら歩き続ける。

横浜美術館に辿り着き、「此処は前にも来たぞ」と思い出す。

何年か前、インチキファッキンジョブに愛想も尽き果てヌカした「俺はもう帰るぜ、とても耐え難い」、

そして這いずりながら抜け出したその足で出向いた場所だ。

「シュルレアリスム回顧展」の胸躍るプロローグ文を読みながら隣にいたカリーナに囁いた、

「抜け出して良かったと思うか?これは完全体のプロローグ文だ。抜け出してないと見れてなかった、それは勿体無い」

俺はあまりに我儘且つ臆病且つ態度のデカイ繊細な人間なのかも知れない。

ところで「エドガー・ドガ展」は最高の類い、

団体だとか派閥だとか組織だとか何だとかには断固馴染めない哀愁漂う気難しい男の一切妥協を許さない絵、

要するに申し分ないパンク具合だ。

鑑賞中のマリアンヌにほざく、

「イカすぜ×5210!」

看板の前に並んで今の二人を写真に収める、美術館に一緒に行ける人間を知っているなんて驚異だと感じて止まない。

「とにかく珈琲飲みに行こうぜ」

ダブルの珈琲を注文し自然な会話に身を任せる。

ありがとうを繰り返し、そして別々のファッキントレインに乗り込んだ。


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October 08, 2010

ノー・マネー・ゲーム ’10


ボロカスに打ちのめされてようやく玄関口まで辿り着いたその直後、ドアをシュルシュルと擦る様な音がする。

まるで俺が帰って来るのを見張っていたかの様な抜群のタイミング具合だ。

覗き穴を睨んでやれば誰かがドアの隙間に何かを挟み込んでいやがる。

「ここは俺のスゥイートホーム、数多くの人間らしい人間が天国と表現した部屋、貴様が何かを挟む権利など微塵もない」

思ったのも束の間、0.082秒のワールドタイムで即座に察する、

真打ち登場、紛れもなく大家様だ。すなわち、「挟む権利大いに有」だ。

やっこさん、わざわざノックもしない、プロフェッショナルのクール極まるやり口だ。

封筒には書き殴られている、

「さて、入金が確認されてません」

その走り書きにはしっかりと憎悪が読み取れる、俺は頷く、「それ、なるほど」。

トイレ内では相も変わらずドス黒いゴキブリと出くわしセイハロー、

以前浴槽で一丁前な平泳ぎをキメていたヤツが不死身の魂と共に這い上がってきたのかも知れない。

「お前、今月分代わりに払っとけ」


相棒、髭でも剃って仙台まで逃げるぜ。

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October 03, 2010

右足だけ輝いたブーツを履いて逃げろ ’10


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暫らく逃げなければならない、歩ける喜びを感じながら。

追いかけてくるのは大家だ、すなわち、家賃は当分払えそうにもない。

水が出る喜びに幸せを噛み締める事が出来る、水が出なかったオカゲで。

これはとても教養溢れる行為、水道と電気が止まる度に学んでいる。

水道が止まっても家賃が払えなくても俺には足がある、驚いた事に二つもだ。

水道局まで28分52秒、水が出るのを強く望みながら「濡れん様に」と律儀に傘を差して歩く俺は本末転倒の塊。

子猫が道端で死んでいる、十字を切ってその横を通り過ぎる、

その仕草は50年代のベルモンドから影響を受けている。

JPSを2カートンストック、そして方南町まで歩く、水泳帽と一ガロンウイスキーを手に入れる。

ホールデンを誘い肌寒い雨の中雪駄を履いて電車に飛び乗る。

目的地は駒場屋内プール、バッグの中身は真夏の柄した水着とゴーグルと水泳帽、これは執念と呼べる行為だ。

UVはない、そこは屋内だ、自転車を漕ぐ仕草とスカダンスの仕草を雑ぜ合わせて背泳ぎで浮かび続ける。

横を見ればホールデンが泳ぐフリをして散々とバタついている、

鋭い監視員はものの二分で察している、「やっこさん、泳げないのね!」って事に。

そしてヤツは遂にビート板なる代物に手を出した。

体重計に飛び乗り叩き出した数字は49.5kg、

それでいて-3kgを強く望んでいるのは誰も狙わない境地をしつこくも狙っているからに他ならない。

ホールデンと16軒もの商店を巡る、そのほとんどは古着屋だ。

一人では100%中7008%入らないであろうハイカラブランド店で高田渡が聴こえてくる、「珈琲ブルース」だ。

並んでいる服はどうでも良いが、「理想はいつだってこれだ」と激しく胸を躍らせる。

ハイカラブランド店で高田渡、モッズショップで昭和歌謡、ジャズバーでジョニー・サンダース、屋内プールでフィンガー5、

要するに何も括らないってのが性に合う。

ある古着屋では突然イカしたモダンガールが近寄ってくる、

「これ試着しても良いですか?」

「いえ、僕は単なるボンクラです」などと答えると彼女はきっと赤面するだろう、そして俺までイタタマレナイ気分になりかねない。

満面の笑みで、それでいて囁き声にて答える、

「そりゃどうぞ!!」

そして試着室を指差した。

直後に外に出て煙草を吹かす、結局俺一人だけイタタマレナイ気分を味わうハメになる。

道を尋ねられるのと同確率で古着屋の店員と間違えられる、

ウィットに富んだ返答がいつか俺の口から吐き出されるのを期待して止まない。

ロックンロール屋では懲りもせずポマードを手に入れる、水が出れば洗い流せない心配はない、

そして洗い流せるのが当たり前だと思える程、俺は残念ながら自惚れてもいない。

ホールデンが我が愛しのスゥイートホームに転がり込む。

「貴様、取り急ぎブーツ磨いとけ」

吠えた記憶はどこにもないがヤツが呟く、

「ブーツ磨いてみましょうか?」

そして丹念に磨き出してくれる。

そんな時、俺は万年ベッドに凭れ込み本を読みながら「コイツと俺はまるで別の人種だ」と感じ、カメラをホールデンに向ける。

そして見事、右足だけブーツはピカピカに輝いた。ありがとう、感謝を伝えるのを忘れたかも知れない。

さぁ、俺はハッタリを捲くし立てて逃げなければならない、

片方だけ輝いたブーツを履いて、500円の最高級柄シャツを着て、走れる喜びさえ感じながら。


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September 30, 2010

排水口にダイブしたゴキブリに夢を ’10


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×月×日。

地下にあるバーの公衆電話からカリーナに電話を入れる、

「よー、遊びに来ないかい?客が一人も来ないんだ」

カリーナが電話越しから悪そうに呟く、

「今アンタの部屋よ、水道が止まってるわ。ワタシ、自分の部屋に帰ろうと思うんだけど」

水道が止まった位の事で逃げて行く素っ頓狂な女などハナから必要ないと調子に乗っていた、

お金で女を釣る様な男など哀れの極みだ、そしてお金に釣られる女などその八倍哀れだ、

そんな茶番な競い合いには一切魅力を感じてない。

「帰りたいなら帰れ、思うままにしろ。そしてそんな生活が嫌なら二度と俺の前に現れるな」

俺は好き勝手に怒鳴り散らして受話器を叩き割った。

とても寂しい気分でバーを片付け真夜中に部屋に戻れば電気が点いている、

期待を込めてドアをこじ開ければカリーナがベッドの中に潜り込んで俺の帰りを今か今かと待っていた。

とても侘しい気分で思った、

「コイツだけは味方でいてほしい」


本日、四連発のハッタリジョブを華麗に乗り越え喜び勇んで部屋に戻る。

爽快な気分でまずは小汚い手でも洗おうと蛇口を捻るも待てど暮らせど水は出てこない。

鏡に映る何から何までベタついた男に苦笑いで話しかける、

「よー、何も変わってないな」

こんな生活も必要だろうと思いながら何年も抜け出せないままでいる、

スタイリッシュは簡単に身につくモノでもない。

あれこれ考えあぐねている時、我が愛しのホールデン雅弘氏からジリブルと電話が鳴る、

「今アンタの部屋の前だ、軍手持ってる??」

「ない。ところで水道が止まったんだ、相変わらずだ」

「なるほど。それより自転車のチェーンが外れたんだ、ゴミ袋貸してよ」

「オーケー。ところで俺のロードバイクはパンクしやがった、相変わらずなんだ」

咥え煙草にタンクトップ姿で外へ出てゴミ袋二枚を放り投げる。

我が愛しのホールデンがほざく、

「おー、ヤクザ!!」

ヤツと会うのはかれこれ一ヶ月振りだ。

外れたチェーンを2分13秒のワールドタイムで直すホールデン、そして小一時間の与太話。

「よー、夏はどこへ隠れた?追いかけたいんだ」

「今やプール依存症だ、ゴーグルも寂しがってる」

そんな訳で明日はプールだ、温水プール、

俺はしつこい、少なくとも「プール」に関わるアレコレにおいては。

「アンタ、風呂入りに来れば?ほら、得意のスナック感覚ってヤツで」

そんな嬉しい誘いを断ったその訳は、

水道が止まった位の事で慌てふためく様な素っ頓狂な男にはなりたくないと今も思っているからだ。

手は洗えず、トイレは流れず、

それでもターンテーブルは回る、充分にゴキゲンだ。

俺はお金を持っている、ニューヨークで何かを蹴散らす位のお金は。

そして水道を止めたのは昨夜排水口の奥深くまで流れ去ったゴキブリの仕業だと俺は本気で思っている、

両手を合わせて健闘を祈る。



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September 27, 2010

バンディーニに捧ぐ ’10


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PM22:23、豪快にドアを叩き我が愛しのバンディーニが転がり込んでくる。

モダンソファの上に立ち、衣類とハンチングを脱ぎ捨てながらほざく、

「最高だ、ブコウスキーってヤツは!」

小汚い靴下と重力で大事なモダンソファの生地を傷めるなんて断固許し難い光景、

俺は会話を中断させて吠える、

「貴様、アウトローを気取るな!」

ヤツはスーパー袋を大事に抱えている、中身は350ml缶だ。

「まぁまぁ、呑みましょう」

そしてようやくモダンソファに腰掛けた。

28インチのリーバイスのボタンは今にも弾け飛ばんばかりだ、

「ちょっと一つ外させてもらうぜ」

そう呟いてビールを流し込むバンディーニ、

俺はトランクスとタンクトップ、髪の毛はイカサマポマードがこびりついたまま、

リラックスパイポとJPSを交互に咥え込みながら与太話を開始する。


ケタ外れのブコウスキーのウィットにバンディーニは夢中だ、

今やその純粋さに美しささえ感じ取っている。

「よー、池袋って街に現れた妖怪ピーナッツ野郎の話を聞きたいかい?」

ピーナッツ野郎とドンクサ星人の話にかけては右に出る者など存在しない、

全てを笑い話にし、元を取るどころか八倍儲ける位の心意気は常に肝に銘じておきたい。

耳を傾けるバンディーニ、ヤツはCASTERとかいう中途半端な煙草に火を点ける。

BGMはジェリー・マリガン、ジャズのビートに乗せて茶番話も加速し出した矢先、ヤツがヌカす、

「ねぇ、ポートワインある?」

「この部屋にあるのはティファニーのペアワイングラスだけさ、ほら」


そう呟いてティファニーのペアワイングラスの箱を開ける。

「ねぇねぇ、この中に入れるポートワインはある?」

「あるのはハーフパイント瓶だけさ」

そう呟いて俺はウイスキーを水で割り、ヤツはロックで流し込む。

「よー、作りかけの唄を聴きたいかい?」

ギターを弾き、会話のテーマは「死」という壮大なモノへと変化する。

「俺が明日死んだら、今日のこの会話を笑ってやってくれ」

そして今日も生きていたからこそ俺は今、こんな物語を綴っている。


室内ディスクジョッキー兼酔いどれ気取り、

回るレコードを気分のままに取り替えながら水割りからロック、ロックからストレート、

ハーフパイント瓶はたちまちただの空瓶と化す。

28インチのリーバイスのボタンを気に留めながらバンディーニが一人ごちる、

「なぁチナスキー、苦しい。もう一つ外しても良いかい?」

「勝手にしやがれ」

AM3:33、バンディーニが今更ながらほざく、

「なぁ、もう帰っても良いかい?」

「貴様、次はポートワインを持って来い。グラスは天下のティファニー製さ」

そしてヤツは子ども三人と嫁が眠る格安モーテルの如き部屋へ酒臭い匂いと共に消えた。

AM4:39、

ポマードを洗い流し、俺は万年布団を強く抱き締めながら考えた、

チナスキーと呼ばれる事にはどうやら抵抗感がない、まるで不思議なモンだ。

そしてヤツの名はバンディーニ、敬愛して止まない文学のお調子者主人公の名前だ。



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September 13, 2010

黒い指輪とチェルシーホテルに寄せる短編 ’10


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右手中指を長年に亘り独占していた黒い指輪、

突然消えたよ、

朝に消えたよ、

親愛なる両手両足首周辺に巻きつけられた19個のアクセサリー、

突然18個になったよ。

探したよ、

レコード袋の中、

ニベアクリームの缶の中、

チャーミングポマードの蓋の中、

そんなとこにある筈もないのに。

ファッキンな胸中引っ提げながら仕事に行ったよ、

人間としての最低限モラルを著しく下回った、

「IQジャスト2.7」な電話口の輩に尋ねたよ、

「あのー、そんなデジタルの話はともかくボクの黒い指輪御存知ないでしょうか?」

返事になど0.27%とて期待出来んもんやさかい(SKI)、

一目散で部屋に戻ったよ、

探したよ、

モダンソファの下、

イカサマベッドの脇、

窓のレール、

そんなとこにある筈もないのに。

そしてようやく発見したかに思えたよ、

ファウンドしたかに思えたよ、

歓喜の渦に巻き込まれたよ、

狂乱極まるパーティさえ企んだよ、

「あった、あったぞ!」

俺は吠えたよ、

だけど掴んだモノは黒い輪の形をした埃(HKR)だったよ、

猫がガォーと鳴く程怖い顔になったよ、

「違う、違うぞ!#$%”!P*#¥¥3$=%¥<Q!!!」

俺は吠えたよ。

ヤツはまだこの「断固ノー・スゥイート」な部屋のどこかにいるんだよ、

5畳弱の中に18畳分の荷物を詰め込んだこの、

かの有名な「ノー・ダコタ・ハウス」の中に。

値段は100円だったよ、

値段など重要じゃないよ、

右手中指を長年に亘り独占していたあの黒い指輪が重要なんだよ、

100円出せば同じモノが手に入るなんて浅はかな知恵など捨てろよ、

一緒に旅を繰り返したあの黒い指輪が重要なんだよ。

ところでドサクサ紛れに神聖極まる「チェルシーホテル」3泊分の小部屋を確保したよ、

航空券を正式に確保する前の快挙だよ。

尋ねたよ、

「そこにチェルシーホテルがあるのに泊まらん理由など一体どこにある?」

ないよ、

ニューヨークだよ、

真夜中に確定ボタンを押した時、

右手中指は確かにまだ黒い指輪が独占していたよ。

万が一、ニューヨークに飛び立つ前までにあの黒い指輪が出てこないなら、

俺はマンハッタンにて猫がガォーと鳴く程怖い顔で吠えるよ、

「ホェアー・イズ・ブラック・リング?ドゥ・ユー・ナンチャラ・ハプンッ!!」

どっかのキングバーガー野郎がモノホンの銃を突きつけてきやがるかも知れない、

賭けだよ、

「こちとらモデルガンを持ってるから心配ないよ」

浅はかな知恵で挑む人生の賭けだよ。



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July 22, 2010

溶ける常夏のあん畜生共 ’10


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キッチンには腐った匂いが確かに漂っているがそんな事はもうどうだって良い。

一日を24時間で括るなんてまったくもって「古い」のかも知れない。

そして恋人が男だろうと女だろうとそんな事はもうどうだって良い。

こびりついた哀しみを振り払おうと炎天下に修理から戻ってきたてのブーツを履いて、

約束などするまでもなく、気付けば自然の成り行きで性格のまるで異なる相棒を連れ立って旅に出る。

降り立つのは東京駅近辺、

清楚且つ気品溢れる街並みをハナで笑うと同時に居場所のない事実に首を傾げる常夏のあん畜生共。

モダンな美術館を徘徊すれば三世帯ノータリンファミリーが泣き叫ぶ子どもを愛しそうに見つめている。

後ろの老夫婦が「連れてくるなよ」と小さく叫び、俺は首が取れる程に激しく頷いた。

美術館の近くにはかの有名な「コットンクラブ」があった。

「ここは前にも歩いたぞ」と突然思い出し、それと同時に「ミックスナッツ700円の悲劇」が思い出された。

流れ着く未開拓中野タウン、間髪入れずドンクサ原宿タウンを我が物顔にて練り歩くど田舎者二人組、

一人では断じて出向く事のない場所を巡り、俺は日に焼け、そして日が暮れても歩き続けた。

一人になるのが甚だ嫌になり、勝手に朝帰りを決断し、

エアコンなどない部屋の中でパイナップルにむさぼりつき、アイスコーヒーを飲み、コロナビールを嗜んだ。

眠る前に相棒が呟いた、

「朝御飯作りますか??」

「それ、恋人やないか!」

俺は答え、上半身裸で常夏気分のままに少しだけ眠った。

性格のまるで異なる相棒は昼からの仕事にも関わらず6時40分には颯爽と目を覚まし、

玄米と鯖の味噌煮、レタスとキュウリの入ったサラダを「朝御飯」として提供してくれた。

恋人が男だろうと女だろうとそんな事はもうどうだって良い、

キーホルダーに6300円を叩ける男、渡辺雅弘という名前があればそれで良い。

俺は御飯を味わい、玄関を出る時、「ありがとう」と何度も告げた。

他の言葉を発するウィットとセンスがほしかったが、そこは「ありがとう」で充分だった。

急ぎ足で腐ったキッチンのある俺の部屋まで戻る時、汗をダラダラと垂れ流しながら考えた、

果たして俺は今まで、誰かに対してこんなにも優しくした事などあるだろうか。


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June 01, 2010

七難去ってまた八難のブルース


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「いつかまた激しく突き落とされるぞ」

それはいつだって何の前触れもなく突然訪れるってんだからまったくもって笑いは止まらない。

「この俺が??」

「こんな事が許されて良いと思うかい?」

いくら盛大にほざいてみたとて所詮一大キチガイ企業のハッタリ雇われ主、

いくら精神をひけらかしたとてお偉方の目と耳には何も届かないって仕組み、

それより何より、こちとらそのお偉方の小汚い面すら拝んだ事がないってんだからまったくもって理不尽極まる八百長試合。

いくら「吐き続ける」為に「やり続けていた」とて報われず迎えるジ・エンド、

何を隠そう、大茶番演劇のメインキャストはこの俺だ。

「この俺を??」

「誇り高き精神の持主を?」

そんな輩共に後悔の一つでも味わわせてやる手段さえ見い出せない俺は無力の生き証人、

そんな訳で全神経を燃やし尽くして真っ当なるお金を稼ぎ、

近々、俺は全てをハナで笑い、

ファッキン神聖なる仕事場を颯爽たる面持ちで去り往くだろう。

折角、奇跡にして驚愕の「仕事が楽しくて仕方ない」思考を手に入れた矢先にだ。

中間はない、そんなモノは要らない、

嫌われ者と圧倒的支持、

「この俺が・・・」と「俺みたいなモンの為に・・・」の果てしなき競演、

俺みたいな人間を手放したくないなどと走り回ってくれる人間達に敬意と涙とオマケにお道化者の笑い話を。

そんな人間が存在してくれるだけでも俺は幸せ者、そして立派な勝利者だろう。

昨晩は三軒茶屋の馴染み深い男女とハイボールを散々と煽りながら繰り広げる昔話、与太話。

そこで喋り捲くし立てながら気付いた事は、俺はもう何処にいても俺のままでいられるという事実、

すなわち、調子に乗りまくる事でしか自らを守れない筋金入りのあん畜生+臆病者このワタシ。

誰が偉くなっただとかアイツはどこそこの店長だとかそんな事柄は何だって良い、

「誰が誇り高き精神を失わずに生き残っているのか?」

重要なのはそれだけで、それ以外は全てくだらない。

俺は何も競わない、いや、たった一つだけ競う事があるとするなら、

それは精神の底力だけだ、それ以外は全てくだらない。

坊主にしてやる心意気でバリカン持ち出し、中途半端に伸びた両サイドを深くエグる。

中間はない、そんなモノは要らない、

ザ・ピーズのイカれたロックンロールを大音量リピートしながらイカサマモヒカンから本格ハッタリモヒカンへ、

お母ちゃんはきっと「こんな子は知らない」、

怒鳴り散らす姿が目に浮かぶ程の仕上がり具合。

雪駄履き、チャーミングポマードの香りを漂わせて久方振りのレコード屋、

手に入れるレコードは天下の「フィンガー5」ファーストレコード&モアー、

レコードプレーヤーは10割中13割ジャスト、壊れているにも関わらずだ。

良く晴れた公園ではブコウスキーを読み漁り堂々たる高笑い、

「憎みきれないろくでなし」、本物は何も隠さない、誇り高き裏付けがある限り。

どうでも良いけど行く末は全て俺が決める、

「前例がないなら作っちまおうぜ」

こんな言葉が俺の頭を駆け巡り続けている。

そして、デニスホッパーには一敬礼を忘れない、

誇り高き裏付けを持ち合わせたふてぶてしい人間に嫌われ者と厄介者とヒップスターの称号を。


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May 28, 2010

東京サングラスマン ’10


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めっきりとレコード屋へ出向いてない感漂う今日この頃。

その分、本を読み耽り、ドロップアウトした男の物語に入り込む。

適当な本を引っ掴んで三軒茶屋まで歩く、支払期限をとっくに越えた水道料金を支払う為に。

途中、銀行に立ち寄れば思いもがけずビッグマネーがこの目に飛び込んでくる。

これは神経すり減らしながら、それでいて真っ当にクールな仕事を切り抜けて稼いだ俺の生活源だ。

三軒茶屋の、7年程前に働いていた雑貨屋を覘く。

あれから7年も経過しているとはまったくもって閉口の類い、俺はあの頃、確かに22歳だったのだ。

雑貨屋は一般大衆の小物を集めた平凡店に成り下がっていた、哀愁と社会を感じて俺は店を出た。

その足で向かうのは上野界隈美術館、

「休みの日は芸術鑑賞」、こんな方程式が様に成りつつある昨今の胸中事情。

そして何一つ口にしていない俺は、

「アメ横」なるハイカラ街を練り歩きながらご多分に漏れずモノホンモダン喫茶へと潜り込む。

破れて綿が飛び出たボロボロのモダンソファ、イカす喫茶の必須条件「食器は欠けている」、

「サーモンステーキ」なるモダンメニューを注文すればシンプル極まる「鮭定食」がやってきた、

御飯を平らげながら思わず噴き出して呟く、「完璧だ」。

そんな時、店内BGMは吉田拓郎「明日に向かって走れ」、

こちとら素直に受け入れる、「明日に向かって走ろう」。

引っ掴んできた本はブコウスキー「ポスト・オフィス」、

町は、気の狂ったうすのろで溢れ返っている

そう思考する、自らしか信じない男が時に臆病風に襲われる、

俺って本当は間抜けだったのか?
この不幸は全て自分で招いているのか?
ありうる話だ。
実は俺っておつむの足りない、生きているだけでも御の字な奴って事も充分ありうる。

人間らしい人間に28798Vのスポットライトと大ベストセラーを。

ところで人は、俺は、何故時にサングラスが欲しくてたまらなくなるのか。

外でかけた例などほとんどないクセしやがってだ。

そんな訳で約9年振りに、一瞬で全ての風景を暗闇にさせる真っ黒いサングラスを手に入れる。

上野とはモダン喫茶、昭和定食屋で溢れ、そして香港を思い出させる香りが漂う街だと気付き、

日も暮れる頃、電車へ飛び乗り再び物語に入り込む。

誰も彼もどいつもこいつも後悔させてやる、

そんな作家に、人間になると俺はとっくに決めている。


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May 27, 2010

お祭りはまるで終わる気配がない ’10


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2001.5.26~5.27


東京に出て来て直ぐ、バンド募集の貼り紙を貼りまくった。

とにかくバンドを結成する事とレコードプレーヤーを手に入れる事で頭がいっぱいだった。

知り合いや仲間など皆無、ただ確実に足を踏み出している事実だけに酔いしれていた。

そして一ヶ月弱で「The Kickstart Driver」を結成、

そして上京から半年を待たず、俺はバンドメンバーを引き連れて広島県福山市でのライヴを決めた。

「こんなにも事は巧く運ぶのか」、思っていた。

客は何故か大入りで、打ち上げの席では号泣し、優しくされる事に戸惑っていた。

そしてその足で福岡県小倉市へ向かう為、真夜中の高速道路をぶっ飛ばした。

「わっしょい百万夏祭り」、一大祭り出場をかけたオーディションに参加する為だった。

ベースの男はガラが悪く、俺より一つ年上で、そして生粋の九州男児だった。

俺は後部座席で、車内BGMはT-BOLANで溢れ、車中ではその素晴らしさについて語り合っていた。

素敵な別れさ 出会いの未来があるからー
夢叶う日まで 今はここでそう Bye For Now

次の日の真っ昼間、オーディションは市の会議室みたいなところで行われた。

会議机がズラッと並び、そこには審査員が偉そうにペンを持って何人も座っていた。

そんな光景には心底虫唾が走った。

ぶっ壊してやろうと粋がっていた。

10Wの小さいアンプを用意して二曲演奏した。

曲はシンプルなロックンロールでロカビリー気取りだった。

アンタはそんなにお偉い人なんですか?
大した苦労しちゃいないのに威張るんじゃねえぞ、おい

こんな歌詞を持つ「独り言ROCK」、俺のターゲットはただ一人で、

それは審査員席に鎮座している「ソニー」のおっさんだった。

そのおっさんをあからさまに指差して俺は吠え、10Wのアンプとドラムに飛び乗り、そして蹴散らした。

そんな時、ベースの男はソニーのおっさんの目前まで迫り、

サングラス越しにおっさんを睨みつけながらベースを気だるそうに弾いていた。

男はこんな時の為に10メートルの長いシールドを事前に用意していたのだ。

「まったくもってイカす」、俺は思った。

「まぁ、こんなモンやろ」、終わって笑い合い、お互いが爽快感に満ちていた。

オーディションを突破し2001年8月、「わっしょい百万夏祭り」出場の為、再び小倉へと向かった。

露店でたむろするカップルや橋を渡る輩共に俺はマイク越しに盛大に叫び続けた、

「小倉城見る前にこのライヴ見て行かんかいこの戯け野郎!!」

俺は口が悪かった。

川に浮かんだ野外ステージへ生粋の九州男児達が10人位ステージに飛び込んできた。

男達は全員片手に打ち上げ花火を持ち、演奏中、それを天に向けて何十発も発射し続けた。

俺はエレキギターを肩から外し、ガイコツマイクを手に持ちベースの男に近寄り肩を組み、

一つのマイクで二人して狂った様に叫んでいた、

「わっしょいわっしょい」

演奏後、司会のお姉ちゃんが半分驚き半分呆れた仕事口調で言った、

「皆さん大丈夫ですかー?やってくれましたねー」

あれから丸9年、お祭りはまるで終わる気配がない。

すみません、幸せはお幾らですかー
もうすぐこの僕も30歳ー

BGMはあの男、お祭りはまるで終わる気配がない。


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May 23, 2010

拝啓・ウラベ先生


小学三年生の時、随分と長い間、登校拒否をした。

いじめられっ子を演じる事にウンザリときていたし、どうやら実際にいじめられてもいた。

ある時、三年三組の出来うる限り全員が、先生を先頭に俺の家へと押し掛けて来た。

俺は一人、気ままにテレビを見ていた。

幸か不幸か、俺の住むアパートは学校から僅か徒歩3.2秒、

文字通り目と鼻の先にあった(今もある)。

「学校来いよ」、誰かが言った。

「何で来ないんだ」、先生が言った。

「制服が今はない」、戯けた言い訳で適当に逃れようとした。

結果、毛玉だらけのスゥエット上下で俺は学校に連れ戻され、

何ヶ月か振りに「皆」と給食を食べた。

「今日はこいつと一緒に帰ってやろう」、誰かが言った。

「こんな格好じゃ可哀想だから」、誰かが言った。

そんな類いの同情が大嫌いだった。

「同じ事をする」という行為が大嫌いだった。

それにボンクラ共、もう忘れたのか、

俺の住んでいるボロアパートは学校から僅か徒歩3.2秒、目と鼻の先だぜ。

「こいつら何一つ分かってないぞ」、同じ歳の連中をハナで笑っていた。

「音楽発表会」のビデオを教室で見た時、俺は一人だけ浮き、とても恥ずかしそうに映っていた。

あれは恥ずかしかったんじゃない、

「同じ事をしている」という事実に閉口し、単純に居場所を失っていたのだ。

拝啓ウラベ先生、あれから約22年、今も生きているかい?

おかげで俺は強靭な武器を手に入れ、まだまだ活きている。

学校は「その点を学ぶ」という意味にかけてはとてもヒップな場所だ。



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May 20, 2010

レッド・ウィーク/短編集


’10.5.19(水)

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「さて、何処へ向かう?」

こんな事を考える余裕さえ持ち合わせている俺は自由の立役者。

本を小脇に挟んで向かうのは渋谷は文化村美術館、ここに出向く時にはいつだって雨が降っている。

神聖にして閑静極まる美術館内を徘徊していたら、相も変わらず男と女のイカサマ与太話が耳に飛び込んできやがる、

「ピカソはラフスケッチの時点で凄いのよ!」だとか何だとか、

俺の大嫌いなさも知った様な口振り、「私、ピカソとは親密な関係だったの」声でだ。

「ヘイ、ファッキンガール!!」

舌打ちの一つでもかました直後、弁えた警備員姉ちゃんがナスビカップルの元へ即座に近寄る、

「お静かにお願い致します」

さぞかし恥ずかしかっただろう、その胸中だけは察して「あげる」、

そしてクールな警備員には座布団12枚だ。

小粋な喫茶室で読書をした後、ハイカラ恵比寿タウンへと向かう、

ジェイムズ・チャンスに会いに行く為に。

幕が開き、音が鳴り出した僅か1.7秒後、俺は自然の内に弾み出す、

タキシードにリーゼント、オマケに首にぶらさげているのはチンピラサックス、

要するに伊達男を愛している。

着飾った伊達男なら誰でも良いという訳ではない、

自然の内に「伊達男振り」が抑え切れんばかりに噴き出しているか、

それだけが重要だ、それは全て生き方に反映される。

中身空っぽのノータリンがいくら真似ようと気取ったところでその「域」には到底及ばないって仕組みだ。

そんな時、俺は380円ジャケットと甲子園Tシャツの組み合わせ、

それに加わるジャイムズ・チャンスのリズム、

すなわち、全てを取っ払った奇跡の融合だ。

途中、焦燥椎茸野郎が野次を飛ばす声が聞こえた、

「こいつら本気出してないぜ!」

俺がその椎茸君の真横にいたなら、俺は首を掴んで持ち前の口の悪さを駆使して罵っただろう、

「少なくとも貴様よりは本気だぜ」

ファンクとジャズとパンクの隙間で、誰も演ってない完全オリジナルを貫いているアヴァンギャルド振り、

その時点で貴様の様な万年場外6軍選手よりは100%中5881%本気だ。

演奏者が日本人ならヤツはこんな野次を飛ばさなかっただろう、

言葉が通じない事を分かった上でヤツは叫んだのだ、

そんな輩の言葉を一体誰が信じる?

特急地獄行き列車の特等席乗車券を一枚用意して「あげる」。

恵比寿から渋谷まではぶっきらぼうに歩く、ジェイムズ・チャンスのイカれたリズムを口ずさみながら。

帰る時間など気にしなくても良い俺は自由の喜劇役者、

大衆チェーン店で餃子とウーロンハイなんてのもたまには「アリ」だ。


’10.5.20(木)

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再びバリカン取り出し、両サイドを刈り込んでみる。

モダンイカサマモヒカン、少なくとも暫らくはハッタリモダンイカサマ気取りだ。

飽きたら次へ、次から次へ、気分次第で全てはバラ色、

歳を重ねる毎に若返る仕組み、俺はもう誰にも嘘など吐かない事に決めている。

本を小脇に挟んで雨の中を歩き、天下の「トロワシャンブル」に辿り着く。

「ウイスキーコーヒー」

すっかり旅人の気分で750円をウイスキーコーヒーに叩く、

ウイスキーとコーヒー、二大巨頭の共演に「福山自動車博物館」のポップTシャツを着て俺は挑む。

何も食べていなかったので気分が悪くなりかけたが、ジャズとその雰囲気、そして本を何ページか捲り元を取る。

「塵に訊け!」ジョン・ファンテ、作家を目指す自己陶酔を止めない青年の物語、

答えは塵の中、そしてアウトサイダーと呼ばれる人間の中に存在する。

「チャーシューメン」

南口商店街に存在する、「人生にはすっかり疲れ果てました顔」のおっさん経営の格安ラーメン屋へ入り込む。

そのおっさんが作ってくれるラーメンが好きだ、「何故なら人生の味がするから」などと洒落込む。

「このブーツにうってつけのクリームは?」

近所の靴修理屋へ潜り込み、ブーツを磨く為のクリームを手に入れる、雨を弾くスプレーもついでとばかりに用意する。

このブーツだけは壊さない、意志はいかなる場面でも強いに越した事はない。

「怖いのはもはや当たり前だ、真剣に生きているからだ」

どっかの偉大なる文学者の言葉が颯爽たるフラッシュバック。

まるで遠い街を旅している様だ、いや、実際、旅は続いている。

夜にはラム酒の海でダンス&ダンス、

様々なアイテムの力を借りながら、軽快な足取りで死ぬまで生きよう。


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April 25, 2010

煮え立つビート文学 ’10

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長い長い期間、俺は一体何をやり、そして何と闘ってきたのかと自らに激しく問い詰めずにはいられない今日この頃、

とにかく果てしない大茶番演劇の時を経て、ようやくスタート地点に立てた感さえ抱かざるをえない胸中。

カツアゲされるのが嫌ならそうされない様に大そう気取れ、

脅されるのが怖いなら負い目など断固作るべからず、

こんな類いは「当然の話」と書いて「エチケット」と読んで然るべき事柄。

幼少期のいじめられっ子は今こそ躍進時、その反骨精神は尋常の粋をとっくにはみ出している。

まずは元を取り、後はプラスに持って行くだけって方法論、

すなわち、必殺八倍返しの大喜劇役者。

ところでエチケットといえばハンカチを後ろ左ポッケに詰め込み忘れた時の失望感、

ドアノブが手洗い後の水で濡れているなんて言語道断、無期懲役、

俺はその「エチケットの無さ具合」を100%中1950%許さない。

バットしかし、俺こそが誰よりも平気でドアノブを濡らしたまま行ける焦燥ナスビ野郎だと思われているってんだから憤りは宇宙規模、

すなわち、コンビニエンスの入口で出入りする客をいびりながらたむろしているのが俺だって寸法。

ノー、断固ノー、こちとら神経質を380円モダンジャケットで着飾り覆い隠すただの夢見がちな男、

随分やさぐれていたとて悪いクスリに手など出さない。

無力を肌で感じる時、思い浮かべるモノは旅、「パーマネント・ヴァケーション」という名の最高峰映画、シオン、エトセトラ、

色々あるのでクスリに手を出す隙などない、そして俺は60年代ボブディランを口ずさむ。

ウィットの一つも拾い出せん位なら書く事などとっとと止めた方が良い。

起伏があまりに激しいのは何も今に始まった訳じゃない。

それはこのファッキン極まるお天道様のせいかも知れないし、単なる俺の我儘であるかも知れない。

誰かが言ってたぜ、「思い通りに行かなかったら強行手段取ってそういうの甚だウンザリなの」だとか何だとか。

70年代めんたんぴんが盛大に叫ぶ、

気をつけなくちゃ俺たち、俺たちゃ不良さー

とんでもなく特別なバンドだ、要するに「不良」とは「真面目過ぎる」と紙一重だ。

ブラックチョコレートと狂乱日活映画に感じる並々ならぬ中毒性、

「不敵に笑う男」「霧笛が俺を呼んでいる」「紅の拳銃」、どれもこれも鑑賞後にはダブルサムズアップ×88。

真夜中、ウイスキーコークを浴びながら昔の写真に手をやれば、

坊主やら金髪やらイカサマモヒカン紛いやらファッキン長髪やら何やらかんやら、

あらゆる街の風景と共に写っているのはどうやらこちとら張本人、着ている服はポリシーに反さずまるで変化無し。

一年前は香港ルーレット天国の渦の中、アメリカ行きは一体いつになる?

求めているモノは行動力ではなく所詮ただの紙切れだという事実。

さて、一日38件にも及ぶ「英語インチキ迷惑メール」の類いが我が物顔にて呼びかけてきやがる、

say goodbye to ED!!

ヘイ、ヘイヘイガイズ!失礼なんだよ×19888120、

バットしかし、仰け反って笑える喜びとスリルに敬意と125連発の愛を。

俺は歩く、文庫本をパンツの中に突っ込んで。

「まるで刺される事を防いでいる様だね」、またも仰け反って大笑い。

どうでも良いけど旅が近い、非常に近い、

要するにビッグヒップトリップの華やかな幕開けに八倍返しの血が煮え繰り返っている始末。


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April 08, 2010

「心の友達」 Vol.8

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真夜中にはウイスキーコークを嗜み、立て続けに煙を吐き出しながらギターを抱えて唄っていた。

何ちゃらレコーダーに唄を吹き込めば即座に新曲を完成させたい気分さえ高まるって寸法だ。

本日の遅刻は断固許されるべからず、俺は眠る向きを逆にしてグラングデンのハートビートで眠りにおちる。

そして奇跡のAM7時起床、取って置きのバナナオレを冷蔵庫から取り出し颯爽とソニーロリンズを回す。

空は快晴、バナナオレはキンキン、悪くない朝だ、いや、近年稀にみる程のゴキゲン具合だ。

クマの絵が書かれた可愛らしいチョコロールに噛り付き、レコードは細野晴臣からはっぴいえんど、

朝の7時台から繰り広げられるヒップダンスパーティ、俺が欲しいのは「余裕」という名の武器だ。

ところでそんな与太話はともかく、

先日書いた町田のボヘミアン、純粋なサックス吹き、俺が知る限り唯一のヴィニールジャンキー、

そんなクール極まる男から昨晩突然連絡が入る、

「女の子が生まれたぜ!因みに生まれた時のBGMはロニーレインだ!!」

おー、素晴らし過ぎてもはや嫉妬、イカす男の行動は如何なる時も粋なんだと捉えざるをえない胸中。

生まれたての自らの子どもの耳に最初に聴かせる音楽がロニーレイン、

「さすが」と「ヒップ」、こんな言葉は今この男の為だけにある、どうにもこうにも認めざるをえない胸中。

それなら俺は憂歌団、はたまたCCR辺りをいつか生まれてくる子どもの耳にまずは飛び込ませてやろう。

さて、続けて男が驚く様な事を聞いたぜ、

「ところでジェイムズ・チャンスはいつ来る?サックス吹きとしては生で見ておきたいんだ!」

まったくもってイカす×57、話が早過ぎてもはや閉口。

「ボブディランの事を書いた日に俺の事を書いてくれた事は光栄過ぎるぜ!」

俺からすればアンタみたいな人間が存在する事自体奇跡×810、そして大いなる歓喜に値する。

こんなお父さんの元に生まれてきた女の子に愛とモダニズムとグッドミュージックを。

そう、心配など要らない、

お父さんはヴィニールジャンキー、グッドミュージックはお手のもの。



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March 31, 2010

俺はヴィニール盤の燃えカスと共に天国行き ’10

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とにかくレコード屋、すなわち「駆け込み寺」、又は「国宝」と呼ぶに相応しい場所へ行きたくてしょうがない。

まるで病気、ヘビーシック、お金もないのに、近頃は以前に輪をかけてその意識は強まるばかり。

昨今の音楽再生プレーヤーは一台で何万曲をもポッケに入れて持ち運べるという。

それはとても画期的な事かも知れない。

バットしかし、そこで思い出されるのは「7インチ」と呼ばれるシングル盤、

この御時世において一曲終わる毎にA面B面を裏返すという暴挙、面倒極まる行為、

これこそが「最たるロマン」だと、「これに敵うロマン無し」だとどうにもこうにも捉えざるをえない胸中。

もはやCDなど聴く気にもならない今日この頃、いよいよその境地に辿り着きつつある昨今、

「配信限定」って一体どういう意味だ、最先端にしてハイカラな話なのか?

まるでついていけない&行く気もない×706。

必ず自らのレコードを作ってから俺はいつか天国へ行くだろう。


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キチガイレコ-ドジャンキーの本を読破、素晴らし過ぎてもはや閉口。

必ず自らの本を残してから俺はいつか天国へ行くだろう。

さぁ、デジタルを捨ててレコード屋へ駆け込もう。

大阪の街でどっかのお姉ちゃんが呟いた言葉が焦燥たるフラッシュバック、

「何買ったん?えっ、レコード?そんなんまだあるん???」

オーベイビー、君と話す事など何一つない。

さぁ、デジタルを捨ててレコード屋へ駆け込もう。

そこはどんな病院よりもクスリよりも効果のある場所だ。


drecom_eroom5session at 17:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

March 13, 2010

粋残れ ’10

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昼、かれこれ3ヶ月と28日ばかりも洗っていなかったであろう布団シーツを勢いよく洗濯機に放り込む。

70年代ボブディランを根こそぎ回しながら、期待と気分はいよいよ右肩上がり、胸はブギウギ断固キープオン。

こんな晴れた日は激安の殿堂まで徒歩16分、MP何ちゃらプレーヤーをポッケに詰め込み我が物顔にて街を歩く。

マカオの人力車勧誘のおっさんに叫んだ言葉が堂々たるフラッシュバック、

「No!No! I love walk!!」

そう、何時如何なる時も歩く事が好きだ(結局その人力車にはまんまと乗り込んだが)。

Tシャツの兄ちゃん、スケスケの姉ちゃん、

サンダル履きのおっさん、洒落たスカーフ巻きの貴婦人、そして擦り切れロングブーツ愛好家このワタシ、

あれやこれや眺めながら、春のお出ましを悟るに至る。

歩きながら本物の仲間、すなわちヒップな輩共の存在について思いを馳せる。

奴等、掛け値なしに本気で俺みたいな端くれを持ち上げてくれているのだとしたら、

俺は他に何を望めば良いのか、皆目見当もつかない。

信頼と不安の背中合わせ、真っ黄色の買い物袋を両手に抱えて、イヤホンで耳を塞いで歩き続ける。

場面は変わって夜、

右手にジャズレコード3枚、遂に格安で発見のアレン・ギンズバーグ詩集、左手にボトルコーヒー2本、

すなわち、奇跡の組み合わせを両手一杯に抱えて家路を急ぐ。

これ程までにモダンな組み合わせはそうそうお目にかかれない、

弁えた女に呟いてもらうのが俺の夢、

「粋とは何かと問われたら、今のアンタの両手と答えるわ」

全ては絵空事、

一丁前にひけらかす精神論、哲学を知った数々の人間が囁きかける、

「理解者は4、50代にしかいないでしょう」

オーマーシー、旅は続く。

BGMはフランク・シナトラ、昭和の夢を忘れない。


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February 28, 2010

職務質問はブギウギの如く



’10.2.24(水)


神聖極まる仕事を終え、

ハッタリ渋谷タウンの喫煙所でヒップな相棒と煙草を三本吸い込みながらの与太話、

握手でもして「よーよー、またね」、

別れを告げてそれぞれの道へ。

こちとらポッケに両の手突っ込み、

トロけた目をしてイカサマチャーミングポマードの香りを風に漂わせながら歩いていた矢先、

警察官三人が突然背後から俺を取り囲み話しかける、

「酷くお疲れの様ですね、ちょっと持ち物を見せてもらえますか?」

おーええ感じやないか、来とるやないか、

思うと同時に激しく胸は躍り出す。

以前の俺なら素通りするか、

東京ドーム三個分、甲子園なら八個分に響き渡る程の金切り声を駆使して

「貴様等が本物の警察官だと一体どこで信頼出来る?」だとか何だとか、

戯けた事をほざいて一悶着二悶着は断じて避けられない胸中。

バットしかし、今は違う、

俺はキュートな笑顔さえ浮かべて答える、

「やぁどうも!」

人混みの中、隅っこ追いやられながら質疑には応答を。

「渋谷はよく来るの?」

「仕事帰りなモンでね」

そこで俺は仕事場のネームカードを取り出し堂々と身分を証明する。

「珍しい名前ですね」

「ハッハッハッ、広島!」


あれやこれや、聞かれもせんのに誇り高き個人情報ひけらかしながら持ち物を見せていく。

ポッケに煙草はあるが残念ながら麻薬はない。

そんなモノはお目にかかった事もない、0.1ミクロンも興味がないからだ。

「ボディチェックも良いですか?」

おーええ感じやないか、キとるやないか、

思うと同時にブギウギの如く胸は躍り続ける。

以前の俺ならハラワタ煮え繰り返り、

「何も出てこんかったら二万円ずつ払えよ!」だとか何だとか、

戯けた事をほざいて右往左往。

バットしかし、今は違う、

俺は律儀に両腕を上にして触りやすい体勢さえ御提供、

そして「煙草一本もらえますか?」と仲間に頼まれる時とまったく同様の塩梅でもって答える、

「はいどうぞ!!」

財布の小銭入れ部分まで覗かれる様をニヤケながら傍観し、

その瞬間を大いに楽しむ余裕さえ感じるハッタリ渋谷タウン、夜の出来事。

何かが出てくる事を期待した警察官トリオには心底申し訳ないが、

財布の中身はなけなしシワクチャの千円札二枚のみ、

残念ながらこちとら犯罪者でも何でもない、ただの夢見がちな男。

最後の最後、解放された俺が再びキュートな笑顔を駆使して告げる、

「どうもお疲れさんでした!」

そんな訳で「胸躍る瞬間ランキング」初登場第二位は「職務質問される時」、

「職務質問されて喜ぶ馬鹿がいるぜ」と誰かが俺を罵るなら、

「貴様は職務質問もされた事ないのか」と俺は勝手な哲学で誰かを罵るだろう。

平凡なんて真っ平御免、

感情と経験は嘘をつけない、俺は真っ直ぐに歩いている。


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December 10, 2009

クール短編

安物ウイスキー代表格「トリス」、コイツとまるでブランニューバンドでも組んだかの如き心意気、

「15分後に行くぜ!」

電話越しに聞いたそんな台詞の僅か15秒後、今村竜也氏が扉をノックした。

イタズラ心愛好家このワタシ、「入り給え」と心の3LDKへと誘う。

「喉が渇いた」と男はヌカし、勝手気ままに冷蔵庫から500ml缶ビールを取り出し、

俺はといえば得意のウイスキージンジャー片手に気付けばAM3:08、

ブラウン管にはジム・ジャームッシュのモダン映画が消音で映し出され、

ヘロンヘロンになりながらある事ない事、喋り続けていた。

ビデオテープで巻き戻したりしながら何度でも見返したい、そんな真夜中の出来事。

なぁ兄貴、あんな会話は充分売りに出せるぜ、思い出しても笑いが止まらない。

俺は媚びない、懲りない、そして負けない、

積み重ねてきた経験は全て顔に表れ、いつか全ては堂々たるハッピーエンド。

座右の銘「全てを笑いに」、

経験と教養の欠片もない輩がファッション感覚で気取るのは止めとけ、ボロは必ず暴かれる。

そして俺はまだまだ強くなれる可能性を秘めている。

さて、「今夜もまずはビール」と冷蔵庫を開けてみたら6缶パックで仕入れておいた筈のビールがどこにもない。

あのヤロー、最後の一本を勝手気ままに呑みやがったみたいだ。

「ふざけるなよ」と吐き出しながら八連発の投げキッスを贈ろう。





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October 08, 2009

「心の友達」 vol.7

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夜、「地下鉄のザジ」なんてポップなフランス映画を消音で眺めながら立て続けにウイスキーコークを流し込んでいた。

朝、目覚まし時計代わりにセットしてあるオンタイマーでいつもの時間にテレビがついた。

俺はそいつを寝ぼけ眼で眺めながら人生をハナで笑い、まだ寝れるぜ、或いはもう起きるなんてヒップな事柄かも知れんぜ、などと考えていた。

すなわち俺は自由で、俺が自由で、俺の休日、外に雨の気配はなく、風だけが強く吹いている様だった。

そんな瞬間に鳴り響く一本の電話、それは仕事場にて類い稀なる関係性を築いてきた様に思える男からの電話、

滅多に鳴る事はないそんな男からの電話に何かしら嫌な予感を感じながら不機嫌そうに電話を取れば、主の声は俺の予感とはまるで異なる爽やか極まるモノだった、

「やぁ!台風で電車止まっちゃって仕事休みになっちゃったよ!!」

「あぁ、そう」

「絶対寝てると思ったから起こしてやろうと思ってさ!」

「ふざけんなよ」

「だって今日休みでしょ?」

「ええ加減にせえよ!!」


内容はそれだけ、そう、たったのそれだけだ。

俺は半分呆れながらも「あぁ、こういうの素敵やね」などと考え、誰かに誇らしく自慢したい気分にもなった。

10近くも年上の男、時に大いに救われながら、以前は激しく罵り合ってもいた、

「俺はアンタの事が全く信じられんぜ」

なんて戯けた事をヌカしていた。

俺は深い闇を彷徨っていたが、残念ながら全てを笑い飛ばす教養だけは失ってなかった。

様々な経験を経て類い稀なる関係性は築かれ続ける、それこそが本物だと俺は信じて疑わない。そしてそこにしかもはや興味が得られないってんだから全くの人生玄人気取り。

誰かの後ろについたその時にだけ一丁前にモノをヌカす驚愕の八番煎じボーイズ&ガールズが蔓延る昨今、そんな輩が存在し続ける限り俺は俺のままで良い意味で浮き続ける事が可能可能。そう考えると驚愕の八番煎じボーイズ&ガールズ、そして驚異のドンクサ選手権名誉会長軍団にも時には感謝しなくちゃいけない。

俺の知らん場所で俺の事を思い出し俺を起こそうと俺に電話をかけとくに内容もないテーマで笑い合う、それだけで俺は充分に幸せ者だろう。

そんな訳で俺はまんまとこんな悪ふざけの電話できっぱりと目を覚まし、朝も早よからターンテーブルは回転、ギターを弾いて大いに唄う、

何か楽しい事があったら直ぐ電話しても良いかい? 「やぁやぁ俺さ、お調子者だよ」

些細な事を大袈裟に捉える、俺の良い癖、悪い癖。

永遠のいたずら心、愛して止まない。

歴史は時に朝っぱらから創られるだろう。




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October 04, 2009

パールライトに永久の愛と光を

渋谷の片隅にその喫茶店は堂々と鎮座していた。

反逆のスタイル、女、子どもに用はないぜと提示しているかの如き佇まい、

世間がヌカす「粋」とは一味も二味も異なるモダン具合、小汚い風貌、

イカす味、サービスのアイスコーヒー、

半年程前に初めて足を運んで以来、

時には仲間と、時には一人で、俺はその喫茶店の虜となり、文字通り常連を気取った。

テントの様なボロボロの看板には「スナック・パールライト」、

甲子園が見たい時、新聞が読みたい時、空腹を満たしたい時、足を運んだ。

仲間との合図は「おっちゃんに会いに行こか!」、

店ではおっさんとおばはんが常に喧嘩をしながら、それでいて二人で仲良く働いていた。

「仕事場は近くか?」

「競馬なんかやらない方が良いよ」

「新聞読むか?」

「残業代は出るの?」

「髪の毛切ったね」

「味薄い?」


おっさんは何かと話しかけてきた。俺は常連で顔馴染みになった。

初めて行った時、おっさんが笑いながら放った言葉が忘れられない、

「戦時中は御飯が思う様に食べれなかったからその反動でウチの店は量が多いんだよ」

名前も知らんおっさんを俺は信頼していた。この言葉を聞いて俺はこの店に通おうと思った。

おっさんの沁み付いた思いは哀愁を感じさせるには充分なモノだった。

そんなクールなおっさんが突然逝ってしまった。

「おっさん死んじゃったよ」

教えてくれたのは仕事場の兄貴だった。

それを聞いて俺の声はひっくり返った。

兄貴とは誇り高きあの喫茶店について何度も語り合っていた、

「最高としか捉え様がないね」

元気が取り柄で、簡単に死にそうなおっさんでもなかった。

おっさんの笑顔が、時に煙たいその会話が思い出された。

昭和を感じるあんなおっさんが俺は好きだった。

俺は寂しく、大きなショックを受けたが、おばはんの寂しさはもはや計り知れない。

兄貴が冗談で言った、

「あの店を継いでくれ」

俺みたいなモンに何か出来る事はあるのか、あるのなら力になりたい。

名前も知らんおっさんとおばはんの夢の様な喫茶店を潰したくはない。

おいおっさん、ナポリタンを一つ頼むぜ。

おいおっさん、ドライカレーを頼んだのにピラフをヌケヌケとした面で運んできた事、俺は何一つ怒ってないぜ。

おいおっさん、天国へ行けよ。

両手を合わせに行こう。




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September 30, 2009

コーヒー・ラヴァーズ・グッド・ラック

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まるで思い出したくもない悪夢に苛まれている様だった。

すなわち、朝も早よから身震いする程の怒りの荒波を泳がされていた。

詰まる話、デリカシーの欠片も持ち合わせてない輩の相手をせずに済む程の器など俺にはなかったと気付くに相応しい茶番劇。

そして俺はまたしても真正面から相手にしてしまった。

気分なんてたったの二秒で変わる、それで一日は丸潰れだ。

壁をぶち蹴りたい衝動に激しく駆られていたが、そんな事で大事なブーツの踵を台無しにしてしまうのはさらさら馬鹿らしい事だと思えるだけの心はあった。

何かを投げつけながら、「クールな映画が観たい」などと考えていた。

デリカシーの欠片もない輩にはその八倍デリカシーの欠片もない態度を

温もりのある人間にはその八十倍温もりのある言葉を


こちらを生きるスローガンに掲げて久しい男このワタシ、

何でもかんでも真剣に取り組んだら馬鹿をみるのもこの俺かも知れない。

そして俺はまんまと飲み込まれていた。

息もきれぎれ、偽者イカサマヒッピー野郎と闘い、全てを見失っていた。

与太話はその程度にして踊り方を教えてくれないか
上手に上手に交われる様な踊り方を身に付けたいんだ

真面目な面をしているけれど頭開けりゃ破廉恥な事だらけの
ノータリンに話しかける 吹き溜まりに話しかける

何、こうやって歩幅を合わせるだけで手軽なダンスは簡単に身に付くモンだぜ
ノータリンが笑っている 得意気な馬鹿面ぶらさげて

男はハンカチ取り出して横に振って答えている
駄目だ駄目だ駄目だそれが出来ない 手軽なダンスなら踊る気になれない

踊り方など知りたくもねぇ 独自のダンス踊りたいねー


俺が唄う。手軽なうわべだけの付き合いなど初めから要らない。

悪いのは俺だ、なんたってそうして稼いだお金で松田優作のレコードが聴ける。

悪いのは俺だ、理論仕掛けの説教など聞きたくもない、二粒のチョコレートに愛を。

帰り道、電話口に話しかける女の声を聞いた、

「そういった訳なんだけれども・・・」

「例の如く・・・」


その言葉選び、喋り口調はまさに俺の大好きな類いのモノだった。

気分なんてたったの二秒で変わる、それで勝手にハッピーエンドへと仕立て上げろ。

本屋のウインドウ越しに発見する狂乱のコーヒーブック、俺はウイスキーよりもコーヒーを愛している。

明日が休みで一安心、どうせ俺はまたヘラヘラと全てを笑い飛ばすだろう。

今日の事は思い出したくもない、

まんまと飲み込まれてしまったこの俺に鎮静剤代わりのヒップな会話と二粒のチョコレートを。



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September 15, 2009

俺と安物ウイスキーと串焼きイカへの戯言

真夜中、俺はウイスキーにタップリと浸かっていた。

終わる事のないレコード数珠つなぎを朝まで続けていたい心意気だった。

そして心臓を高揚させながら眠りについた。

午前中、俺はウイスキーにドップリと溺れていた。

口の中には煙草とウイスキーの味がクッキリと沁み込んでいた。

「あの安物ウイスキーの野郎!!」

呟いたが、俺はただそんな気取った風の言葉を吐き出してみたいだけのあん畜生だった。

串焼きにされたイカに思いを馳せる。

何処かの海で釣り上げられ、

丸焼きにされた上に串に刺され、

3本パックで勝手に売りに出され、

値引きシールまで貼られてしまったイカの胸中を考えてみる。

そしてそれを喜び勇んで手に掴み、

「ベイビー、これ安いやんけ!」

缶ビール片手に笑みをも浮かべて頬張っている男このワタシ、何がなんだかまるで分からない。

そうそう、この世は狂乱の矛盾天国。

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誰かがヌカしたぜ、

「よくもあんな汚い部屋の写真を掲載出来るな!」

男は笑っていたが俺はその八倍、高らかに笑っていた。

残念ながらそんな事はどうだって良い。

恥ずかしさはそんなところにはない。

理解を超えて俺は行く。

お母さんに会いたい。





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September 12, 2009

「心の友達」 vol.6

頭の回転は鈍く、ヒップな言葉の一つも掘り当てられず、切れ味はゼロ、何かが違うと息巻いて、

心なしかの臆病風、スナック感覚で体温計をはさめば37.3℃、

無論、大した熱でも何でもないが頭を過ぎるのはかの有名な最新型インフルエンザ、

危惧する職場、厄介者の吹き溜まり、危険人物はオテノモノ、

そんな馬鹿なとヘラヘラ笑い、面白味の欠片もない言葉が口を吐く度、自らには苦笑い。

例の患ってしまった男はそれに構わず本日もスティック振り回してロックンロールの渦の中、

奴とは確かに近頃、ずっと一緒に居た様な気がするぜ。

万が一、この俺が最新型インフルエンザを患ってしまったなら、うつされていたとしたら、

俺は奴を一発ど突いた後、肩でも組んで更なる絆を深める事が出来るかも知れない。

バットしかし、そんな事、さほど望んでもない。

バットしかし、そんな事が起こったなら、大笑いは俺達だけのモノ。

「コイツが律儀にインフルエンザを運んできやがりよって」

永遠に言い続け、笑い続ける事が可能可能、それも心のどこかでは捨て難いという茶番な心境。

冗談の一つも通じない輩とはつるまない、ギリギリのラインを弁えて俺は笑いたい。

何かがくすぶっている夜、

こんな夜、俺にとって重要な事はご多分に漏れずレコードを回して眠りにつく事だ。

「よーよー、もしも熱が上がったらお前がレコードを裏返す役を買って出ろよ」

そうそう、喜び勇んで買って出てくれよ。

それ位の義務はあるってモンだぜ。










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September 03, 2009

心の友達だらけの夜

バイクの後部座席にはもはや秋の肌寒い風が吹いていた。

新宿で事を終え、俺達は三軒茶屋に向かったが小粋な喫茶店は既に二店とも閉まっていた。

御飯を平らげ、どこにでもあるハンバーガー屋でアイスコーヒー片手に様々な事柄に言及する。

カツゼツ悪く身振り手振りは俺の癖、直る気配はまるでなく直すつもりもまるでない。

酔っ払いの如く何時間も飽きもせず喋りまくるが摂取しているのはカフェインのみ。

そうそう、アルコールなど大して重要ではない。

バイクの後部座席では下品な言葉も織り交ぜ全てを笑い飛ばし、

それと同時に秋の肌寒い風を感じている。

部屋に戻れば間髪入れず盟友に電話をかける、

「よーよー、君はベロンベロンかい?」

自負せざるをえん程の酔っ払い口調で喋りまくる。

奴は明日、俺の仕事場に我が物顔で面接にやって来て、

そして数日後には堂々とその仕事場に鎮座する事だろう。

まったくもってイカす。

残念ながら俺は楽しむ術を随分と前から身につけている。

抜群の男がまた一人加わり、俺は笑顔を絶やさず更に仕事に精を出せると信じて疑わない。

仕事場ではチンピラ、そして893などと呼ばれている。

今まで何人の人間がこんな風に俺を捉えてきたか、皆目見当もつかない。

知らん間にいつからかこんな風になった、なってしまった。

良識あるチンピラと良識の欠片もないチンピラ、それなら俺はせめて良識あるチンピラ気取りでありたい。

ところで明日はそんな仕事場をそそくさと切り上げ、天下のジョージー・フェイムをこの目で目撃。

格安ポータブルレコードプレーヤーがこの部屋に届けばもはや怖いモノなど何もない。

人生には波があるだろう。

そして一人前の波乗り人間このワタシ、サクッと全てを解決。

そうそう、更新料はどうにか滞納しながら。







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August 16, 2009

ファンタジック・ルームにて

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ゴキブリのキヨシ君、俺のお気に入りのポスター上を我が物顔で這いずった後、部屋を飛び回る。

レコードプレーヤー上にて踏ん反り返りながら俺を警戒するが残念ながら俺はやっこさんが思う程に敵ではない。

何たってやっこさん、そこらに蔓延るドンクサ星人よりも断然頭が切れるってんだからまったくもってイカす。

俺はある出来事以降、生き物という生き物を出来うる限り殺す事を止めた。バットしかし、フライドチキンは笑顔で頬張り、塩サバは骨以外きれいさっぱり平らげてしまいたいあん畜生。

矛盾は永遠のテーマだと唄わずにはおれん男このワタシ、例えばステーキハウスにて牛が笑った絵が描かれた看板を発見したら、豚の家族が仲良く寄り添う絵が描かれた看板を発見したら、何ともやり切れん感情に襲われたりもする。すなわち、それらの看板は動物に対してとても失礼なモノに思えてならんという感情に襲われたりもする。

おっと、詩人の言葉が本日もフラッシュバック、

「ゴキブリの方がよっぽど人生に忠実な気がするぜ」

人間よりも会話の出来ん動物の方がよっぽど賢いという事実、こんな例は腐る程にある。

バットしかし近くには来てほしくもないゴキブリのキヨシ君、やっとどっかに隠れてくれたと、安堵の表情でふと天井を見上げたら、天井をカニ歩きさながらに歩き回っていた。ゴキブリのカニ歩き、クールと捉えて何ら差し支えない。そして再び飛び羽を広げて飛んだ。

甲子園に出向く期間中、もはやこの部屋はやっこさんに任せる。

レコードを回しながら本でも読んで、ウイスキーボトルを足で開けてズーズー鳴らしながら煽ってくれたならそれはとんでもなくファンタジー。

この部屋を愛して止まない。俺はゴキブリと暮らしている、とんでもなく元気に。














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